【芝居】「横浜ローザ」横浜夢座
2018.8.13 14:00 [CoRich]
女優・五大路子が毎年ブラッシュアップしながら演じている、横浜の伝説の娼婦の物語、ワタシは初見です。15日まで赤レンガ倉庫ホール。120分。
伊勢佐木町のエレベーターホールを住処にしている老女、かつては人気の娼婦で、白塗りで街を歩き人々も知っている。
広島で結婚し戦犯となった夫を弁護するために横浜に出てくるが、広島に戻らず、レイプに遭いパンパンとして生きていくことを選び取った女の物語。米兵の将校と恋仲になりながらも別れ、生き写しの若者を育てる気持ちを持ちながら一人で生きてきた一代記ですが、女が年を重ねて容姿の衰えを隠せなくなりつつある残酷な時間は重ねて、人々が豊かになり、街にそういう存在がいることを蔑視するようになっていくのです。終盤の台詞、ワタシはいったい誰なのか、ということに集約される人の生きざま。
野毛から伊勢佐木町はワタシの子供の頃はちょいと足を踏み入れづらい怖い場所でした。じっさいのところ、松本から戻って来てから足を踏み入れた感じです。隆盛をほこった繁華街、いろんな人々が入り乱れた場所。 その雑多な街においてもなお、ハマのメリーさん、もしくはローザと呼ばれ、街に出入りした人なら誰もが知る存在。ワタシはまあ、新聞の横浜版でちょっと読んだぐらいのわずかな知識ですが。
コミカルも若い女から老女、白塗りに至るまで一人芝居としては思いほのか(失礼)濃密で、確かに生きてきた一人の女性を描ききるのです。なにが史実かがわかりづらい領域ですが、ドキュメンタリー映像(未見)、いくつかの調査(の引き写し)を読んだ感じでは史実に忠実というわけではなく、わりと盛った話ではあります。
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