【芝居】「ROBOTA」serial number (ex. 風琴工房)
2018.7.15 18:00 [CoRich]
2017年4月にシークレット公演として港区のマンションの一室で上演された兄弟の物語。初演と同様、カレーの匂いが溢れる舞台も嬉しい。60分。18時開演ですが、少し時間を稼ぐトークショーを序盤に入れて遅らせての上演。
カレーを作る男、訪ねてくる男は弟だ。二人とも災害救援ロボットの研究者だが、ロボットを使って場所も生存も確認出来たにもかかわらず、兄は自分の妻と娘を災害で亡くして行方をくらましていた。
キッチンがあるスタジオ、開場時間からカレーを作りながら暮らしている風景。この三回のシリーズで唯一、面のシャッターを開けず天井まで届くガラスを通して外を通る人々や風景を借景として描かれます。
小型のロボットでガレキの中に入っていき、人間の生体反応を確認し音や映像を送り届けるロボットの研究。ほぼオモチャのラジコンカーをデコレーションした初演から大幅にパワーアップして、基板むき出し、タブレットで操作、小さなLEDランプがチカチカしたりして、それっぽい造型に。もっとも災害用だけど基板むき出しなのは研究実験用だからか。
妻と娘を亡くしたにもかかわらず、実稼働したロボットがきちんと動作していることに少しワクワクしてしまったという研究者の性のもまた、兄が研究から逃げた一因なんだけど、そのままではいけない、前に進むべきだと粘り強く説得を続け、これからまた二人で研究を再開できると感じさせる終盤は力強い。
エンジニアが考えがちな、カメラを装備するということはしないのは上手くて、生々しさとはちょっと違う、センサーによって生存を確認するという距離感が、グロテスクを回避しているのです。
窓の外へロボットが進んで行きガラスの外に出て行く終幕、日暮れ時間にあわせているのは偶然から発見されたという演出だけれど、実に効果的。ロボットの小さなランプがチカチカするのもカッコイイ。
三本立ての連続公演、最終日を除いて全ての夜公演にカフェとして解放するのも嬉しく毎回のおつまみも嬉しい。カレーがまた旨いんだ、はまあ全体としての体験を補強して思い出させるのです。
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