【芝居】「ボーダーリング」やみ・あがりシアター
2018.6.9 15:00 [CoRich]
婚活の現場デフォルメして悲喜こもごもに描く110分。10日まで高円寺ラビネスト。
忍者の跡取りの男は結婚して一人前になれと言われるが許嫁だったはずの女は断ってくる。結婚相談所に申し込み、婚活を始める。
ボーダー柄で声も大きくテンション高く一方的にしゃべりがちな男はパーティでもなかなかカップリングに成功しない。しのぶ、という名前の地味な女に惹かれる。式典会社に勤めているという女は、男の存在が薄いというが、それは鯨幕が見慣れているからで、むしろどんどん惹かれていく。
婚活パーティには何年もパーティに通い慣れた常連、高スペックを望もうありのままの自分を受け入れてほしいと思ってジャージ姿のすっぴんで現れる女が居たりする。
結婚を受けなかった許嫁の女もまた忍者で、この婚活パーティには、政治家の息子が出馬をねらい結婚相手を捜しにきていることを知り潜入している。
忍者などのファンタジーを交えつつも、婚活パーティの人々を点描するコメディ。恋愛よりも結婚のための相手を捜す場所、自分のスペックと望む相手のスペックのバランスの悲喜こもごも。そのために自分を変えることだったり、何に妥協しないかというこだわりことだったり。作家の経験から発せられたものかはわからないけれど、なるほどいわゆる適齢期の男女なら感じるかもしれないことを、いろんなタイプの人々を交え丁寧に描くのです。
同じ場面を何度か繰り返しますが、それは立場や視点が変わった描かれ方。慣れない婚活、慣れすぎて日常になっている婚活、政治家の息子、普通の人、化粧などで大きく変化して変わる周りの態度など、どの立場からその場を見ているかで微妙に印象が変わっていくおもしろさ。
収まるところに収まる雰囲気、ダンスホールな雰囲気は大団円ともいえますが、もしかしたら芝居と同様、婚活もまたたいていの人にとっては人生のほんの短い時間のから騒ぎでもあって、それは夢かもしれないことという印象をより強く感じさせるのです。
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