【芝居】「害虫」劇団普通
2018.5.25 19:30 [CoRich]
27日までルデコ5。90分。
一軒家に暮らす男女は一人の母親の三人の夫たちの子供や連れ子と、新たな交際相手の子供たち。冷蔵庫に入れた食べ物が消える日々、朝起きてくる、あるいは学校や仕事から戻ってきたダイニングに集う。
父親の違う三人の兄弟や連れ子。入れ替わりながら、朝食に何を食べるか、冷蔵庫の食べ物が消える話だったりとか。けだるい日常の雰囲気だったり、喋らなかったりとテーブルについている構成によって変化する関係。無視のようにこっそり食べ物を食べていると云われている長男が来ると明確に雰囲気が変わったり。
小学生前後のころだったり、もうすこし大きくなってからだったりを自在に行き来して、ほとんど帰らないらしい母親で繋がり一緒に暮らす子供たちの風景をさまざまに切り取って見せるのです。
さまざまな関係は提示されそれがくるくると変わる面白さはあるし、終幕で明確に成長した姿には成長というかこの監獄のような家を出て行こうという意思という変化はあるのだけれど、どういう物語なのか、ということ上手く言葉にできなくて戸惑うアタシです。そういう人々を描く事こそが目的だろうとは思いつつ。
作家の主題ではないような気がするけれど、子供だったり奔放だったりで自由に振る舞う男たちと、距離感の差こそあれいちおう生活していこうという雰囲気の女たちという構図。おだやかな筈の長女が疲れ切って帰宅したのに食べ物を要求するばかりの三女と次男にキレるあたりは、長女ばかりが気を揉み働かされているような苛立ちがちょっと見えて面白い。
全体にテーブルを囲む椅子での芝居で、正直にいえば三人居るシーンで二人の表情が全く見えなかったりするのは小さい会場ゆえとはいえちょっとしんどい。 終盤、成長した長女、次男、長男のシーンは一面のガラス張りに回想されたルデコ5の窓際、渋谷の町のビルを借景にした喫茶店という雰囲気で印象的。
長男を演じた澤原剛生が奔放という役柄かどうか、居るだけで圧倒的な存在感があったりするのも新たな発見なのです。
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