【芝居】「ネジ工場」タカハ劇団
2018.4.15 17:00 [CoRich]
2012年初演作を再演。
実は初演と変わらない感想なのです。それは三兄弟となぞめいた宅配便の男が初演と同じキャストということが大きな理由な気がします。初演時の自分の感想の熱量がすごくて、付け足すことがなくて、あれ、自分はどうしちゃったんだと戸惑ったりするのです。
突然死が増えているのに、高度で使い道のわからないネジの注文は増え続けているという怖さ。それは戦争かもしれないし、何かの事故の対処かもしれないと思わせます。工場の中は下町ののんびりした雰囲気だけれど、宅配便の男のホラーっぽさ、妹を名乗る女とその恋人のヤンキー感。だけれど、家という場所でまっとうに働き、日々を暮らすということが決して当たり前ではないかもしれない、という感覚は初演よりも強くなったのはあたしが歳を取ったからか。
ちょっと気持ちを病む長男、なんとかしようと頑張る次男、楽しく暮らすことこそ一番と考える三男が物語の核で三兄弟を演じた有川マコト、夏目慎也、山口森広のそれぞれのキャラクタをしっかり鮮明に。板倉チヒロもまた、初演と同じキャスト。脱力系に見えてなんでもやる、ちょっと闇な雰囲気を纏うのも物語のスパイスなのです。あかりを演じた下垣真香は新しいキャスト、鼻持ちならなさだけれど見惚れてしまう美しさという説得力。
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