【芝居】「あたしら葉桜」iaku
2018.5.19 15:00 [CoRich]
2015年作の再演「あたしら葉桜」と、原作となる岸田國士の「葉桜」(青空文庫)のリーディングを組み合わせて。22日までこまばアゴラ劇場。リーディング30分、本編45分。
時代を経て母娘のありかた、時代の背景、恋愛や結婚の異なることをえがきつつも、母と娘の想いの変わらないところを描く二本立て。
リーディングは お見合いをして一ヶ月、返事をよこさない相手に気を揉む母娘。母は相手がちょっと気にいらなかったりするが、娘はまんざらでもない。娘を手放すのも惜しい気持ちの揺れ動き。手を握ってされるままというところで唐突に吹っ切れるような母親。「嫁に行かなければ一人前ではない」という時代に動かされる気持ちと、しかしあまりにあけっぴろげに男を誘うのははしたなくて、男が誘わなければ前に進まないという云ったりきたりが短く濃密に。
本編の方は、時代は現代に設定され、畳の部屋の中央に伏せた雑誌にいるかもしれないムシを囲んだ母娘。そこに居るし仕留めたいけれど直接手を下すのははばかられる感じ、一刀両断にできずにぐるぐる周囲を回るふたり。 時代らしく名前で呼び合いきっと洋服だって貸しあうような感じをコミカルに交え、いろいろやっても出口も結論も出てこないぐるぐる。現代らしく単に嫁に行くかどうか、ということではありません。 娘の相手が同性であることは後半であかされ、母親はもちろんそれでも祝福するけれど、母親の考える「一般的な」プロポーズでないことや「お嬢さんをください」的な挨拶や孫に居たるラインにならないことの母親と戸惑いも同時に。
二つの時代、何がままならないか、ということは変わるけれど、母親の価値観とは少し違っても娘の幸せが一番と自分に言い聞かせるような母親の姿がぎゅっと浮かび上がるのです。
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