【芝居】「粛々と運針」iaku
2018.5.19 11:00 [CoRich]
ほぼ一年前の作品を再演。 28日までこまばアゴラ劇場。P>
二人ずつ三組、男の兄弟、夫婦、縫い続ける二人の女。
実家で母と二人暮らしのフリーター兄と結婚して家を出て会社員となってい働いている弟、倒れた母親、死も覚悟しなければならない段に至って変わりたくない兄と変わらなければいけないと考える弟と。
子供を作らない約束で結婚し一軒家を構えた夫婦、妻は総合職で仕事が好きで子供によってキャリアを手放したくないと考え、バイトから社員とはいえファミレス店長で収入の点で引け目を感じている夫。もしかしたら妊娠したかもれないと告げた妻は堕胎を考えていて。
兄弟と夫婦、二組がもう一人の死と生と向き合い、迷い、ときに言い争いになって進む会話。運針を続ける女二人は、死が見えてきた母親とこれから生をうけるかどうかという胎児の姿。物語では交わらないはずの6人だけれど、後半ではあっさり構造の壁を越えて対比し議論になったりもして、芝居だからこそ自由に時間も空間も飛び越えてつながる話は、生から死という人生、死から生という輪廻でぐるりと一回り、 針を縫い進め、時計の秒針のように時間を刻みながら営んできた人々の暮らしを描き出すのです。
桜が生の象徴に描かれるのが印象的なのです。それは満開の桜は生きていることの象徴でその盛りには切れず、伐採するなら人が忘れかけたころということだったり、その盛りの桜の下にはたくさんの命が埋まり堆積した上で人々が生きているということを丁寧に。
じっさいのところ、初演と今作、ワタシの印象は変わらず。それはキャストが同一ということのせいもあるかと思います。大きな変化があるわけではありません。役者それぞれの芝居が熟成、というのは少しばかりファンタジーな気持ちになったりするワタシです。
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