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2018.04.11

【芝居】「Ten Commandments」ミナモザ

2018.3.24 18:00 [CoRich]

31日までこまばアゴラ劇場。 原発事故でしゃべれなくなった女、夫と暮らす日々、手紙を書き、科学者の挙げた十戒、原爆にまつわる議論のさまざま、学生たちに向けてさまざまな思索を重ねる。

2011年秋のホットパーティクルや、3年後の 2014年の見えない雲など、 原子力というものが怖い、(劇中語られる)子供の頃に目にした本を起点にして、原発に向き合う作家の内面を描く延長線上にあるような題材。事前の告知にあったような学生との議論はかなり薄くて、むしろ一人で調べたことを何度も噛みしめ、自分で対話するという体裁になっています。この作家の芝居を何本かみていると、そういう自問自答のスタイルをとるものがいくつかあります。正直にいえば、作家のスタイルが判っているからおもしろく思えるという感じはあって、そうでないと、一人語りを延々聞かされるようなむずがゆさと着地点の見えない不安に苛まれそうな気もします。

トークショーでは、作家の分身的な位置づけで原子力を怖がる立場として占部房子が演じた妻、菊池佳南が演じたのは若い頃の自分、石田迪子が演じたのは自分の冷静な部分、という種明かし的なことも。なるほど、一人が足りに聞こえるわけだ。 「トークショーがセットなのが前提」というのはネットで見かけた感想ですが、ワタシも同感です。ワタシの観た回は原発容認側と自称する大学の教師。おそらくは作家の立ち位置とは違うけれど、その間の会話、エンジニアの葛藤についてなど、同意というよりはすりあわせながら落とし所をさぐりながら、互いに敬意を持ってきちんと会話することの心地よさ。

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