【芝居】「たまには海が泳げ!」クロムモリブデン
2018.3.21 18:00 [CoRich]
4月1日まで王子小劇場。
人気子役がレイプされ、犯人は逮捕され服役し長男はそれを苦に自殺している。月日が経ち犯人の妻は次男を学校にも通わせず父親が偉大だと教え込んで育てている。被害者の母と姉はレイプ事件が芝居だったと元子役を育て、男性を会うことがないように育ててきた。小説が書けない作家の前に現れたゴーストは事件を調べるよう仕向けるようになったある日、犯人が出所する。
レイプ事件、犯人の家族と被害者その家族。異なるけれどそれぞれの虚構の中に閉じこめられた子供たち。被害者はもちろん犯人の子供の尊厳を守るための懸命の母親の姿。外から眺めるワタシにはそれはとてもイビツで内容の深刻さに比べてコミカルですらあるけれど、その切実な気持ちなのです。
物語としてはそれぞれの背景を、時には少々ゲスに暴き立てるように描きながらも、レイプ犯が実は違ってその背景に被害者の姉が絡んでいることがぼんやり匂わされたり、犯人の息子が誘拐されその身代金の取引が起こるようであったりと点描。
後半部分は身代金のやりとり、何かが成立したり、ピザのようなものが組み合わさったり、突然起きる銃撃戦で母親が撃たれたりというリピートは東京進出の頃のクロムな風味を彷彿とさせます。母親が撃たれるところをトリップポイントにリピートされるのだけれど、三度目には娘が撃たれ唐突に芝居が終わります。母親の視線では娘の死こそがすべての終わり、ということかなと思ったり。誰かの心象風景という捉え方もできそうだけれど、もっと明確になってたほうが、ワタシは好きだなと思ったり思わなかったり。
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