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2018.03.21

【イベント】「ポイズン・グローリアス」(月いちリーディング / 18年3月)

2018.3.10 18:00 [CoRich]

神奈川県立青少年センター。本編90分。とディスカッション、全体で180分ほど。

金のない人々に仕事やすみかを提供し、常連客となったスナックに集まる人々。常連客が大雨で死に、風邪薬の大量投与で毒殺される。二人ともスナックの女性従業員との偽装結婚をしていて殺人の疑いがかかるオーナーは、入場料をとる有料の記者会見を繰り返している。
新たな訪れた若い男は間違って迷い込んだが、天涯孤独だという男を、自分も孤児だといい、迷い入れる。

どこか既視感があるなぁと思っていたら、本庄保険金殺人事件(wikipedia)を題材に。だめだめな常連客(オーナーを追及する記者を兼ねる)、豪快な親分肌のオーナー、内縁の妻であるママ、偽装結婚をくりかえすフィリピン人従業員が登場して描かれる物語。ディスカッションでも語られたけれど、外部からの視点となるのは、訪れた若者という構図。

金のためなのか快楽のためなのか、あるいは孤児という過去に起因して世を恨んでなのかはわからないけれど、ディスカッションが進むうち、作家によれば元々はここにオーナーの母親の物語があったものをあっさり削ったのだといいます。作家によれば、何かの理由によって月雨後かあれるのではなく、一人の男が残虐を重ねるうちに自分を突き動かしてるものが「無」なのだと気づくということを描きたかったのだといいます。 帰宅困難地域にある孤児院の墓碑銘とか、ホステスと関係を持とうとするオーナーなど、サスペンスっぽい断片はあるけれど、それが物語という形に結実しないと感じていたけれど、この作家がいう「無」を描きたいのだということなのだということには気づかず。一点だけそれを匂わせるけれど、どちらかという全体の雰囲気はサスペンスなのです。

このイベントは観客と作り手たちのディスカッションによって戯曲をブラッシュアップする前提で行われているというのが前提だけれど、それが必ずしもうまく機能しないこともあるのです。それは質疑があまり通じないことが起きたりとさまざまだけれど、今回に関してはあまりうまくいってない感じがあります。作家には明確に書きたいものがあって、それを一人で思い悩むのが楽しいのだろうな、と思わせる感じ、なのはまあ私の感想ですが。

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