【芝居】「アイドルスター☆トール!」関村と浅野
2018.1.28 15:00 [CoRich]
初演時に開演時間の勘違いで見られなかったワタシ的に痛恨の一本、待望の再演。50分。
アイドルスターを追いかける中年のおじさん。しかしファンは増えずライブもたいてい客はそのおじさんひとりだったりする。ある日、アイドルは卒業を発表する。
若くはないアイドルにハマった中年のおじさん、という構図。男同士でしかも(BL含めた)恋愛要素ゼロで描いて、ほんとうに純粋なアイドルとファンの距離感を実にストイックに描くのです。客が一人でも熱中し応援したいと思う熱意。幻想を信じようとする努力。会えばものすごく緊張するぐらいに好きなのに会うための出待ちという発想がそもそもないという描き方はたとえば小劇場のファンと役者にも通じたりして、多くのことを思い起こさせます。 アイドルに対してファン一人というのはコミカルではあるけれど、観客と演者は一対一、というのはどこかの芝居の前説のようだけれど、観客の姿勢としてもライブの見方としても実に正しくて、ストイックで気高くすらあって。 なるほど、関村俊介のアイドル論なのです。
スターを演じた佐藤達は出落ち感あれどきっちり一曲は踊りきって思いの外かっこよくて。ファンを演じた渡辺裕也は憬れる側のぱっとしない雰囲気とか、スターの事を考え過ぎちゃう造型が緻密。マネージャーを演じた関村俊介、昨今出ることは少なくなってるだけに、久々に観てもあまり良くも悪くもなってないのは、ワタシにとっての喜ばしいことなのです。
アンコール、という体裁で観客もきっちり巻き込むのも楽しいのです。
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