【芝居】「マジカル肉じゃがファミリーツアー」ロロ
2018.1.19 19:30 [CoRich]
110分。21日までKAAT。
自分の一番古い記憶についての宿題をしている小学校に通う長女、 家のあちこちに父と母の写真シールを貼っていたりしたがその記憶がなくてそれを探したい。長男は勉強のためと図書館に通っているが、女の子から本やDVDの貸し借りをして恋心が芽生えている。女の子はつれないが父親が好きな小説家と聞いて俄然関心が。
長女が忘れてしまったもの、のど自慢に出場する母親と付き添う父親が思い出すかつてのデート、長男の女の子とのデートのようなものの甘酸っぱさ、あるいは一人で居ることが怖くて生み出した「さるすべり」という相棒のこと。それぞれの記憶や脳内のことを描き出します。 時に舌足らずな子供の大騒ぎ、ときにときめく気持ちを歌い上げるミュージカル風味、ポップな風味で描き出される物語は、子供が小さい頃というこの家族にとってはこの瞬間だけ、のこと。もっと成長すればこういう会話にはならない気もするし、シールのことなんか気にしなくなってしまうかもしれない。その絶妙に子供から青少年に成長する境界を描く絶妙さ。
キッチンとダイニング、今、子供部屋を基本にくるりと全体が回るように設えられた舞台はわりと効果的で、とりわけ公園の池でのボート、二つのボードが近づいたり離れたりという場面を、一つは固定された床、一つは回る床に置いて表現するのはちょっとしたアイディアだけれど巧い思いつきの一つなのです。
母親を演じた板橋駿谷が実によいのです。コミカルだけど憂いというか深みを内在するよう。長女の同級生を演じた北川麗はやけに大人っぽく世間を斜めにみたりする、ませた女の子がありそうで細やか。長男の女友達を演じた望月綾乃もやけに印象的。
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