【芝居】「行こう!野ウサギ」日本フィンランド演劇プロジェクト
2017.12.23 15:30 [CoRich]
元フィンランド国立芸術劇場のユハ・マケラと黒澤世莉による共同制作のプロジェクト。フィンランドのベストセラー小説の舞台化、初のフィンランド語から日本語への直接翻訳。 10分の休憩を挟み、140分。 飯能のあと、12月23日まで早稲田・どらま館。
妻との関係もこじれ、職場も行き詰まっている記者をしている男。取材旅行で疲れ切った運転の途中、野ウサギをはねてしまう。野ウサギを探し森に入った男の行方はわからなくなる。
男と野ウサギは朝を迎え、携帯電話を投げ捨て自由になる。
骨折したウサギを医者は踊りで治し、警察につかまりかけるがふとしたきっかけで助かりサウナに入ったり、25年にわたって政権の座にいた大統領にまつわる秘密を知らされたりする。
うさぎ耳をつけた男が登場し舞台と客席、現実と現実にないものの間を曖昧にするようなメタっぽい話しをしながらの幕開け。 仕事も家族もさんざんでうんざりな中年男と野ウサギが出会い、その二人のロードムービーのようにいくつもの不思議な出来事を実にコミカルに詰め込みながら進める物語。おじさんが迷い込む「アリスの不思議な冒険」風味とも感じるアタシです。
日常に戻る「アリス」との違いは、妻は自由になろうと日常を続けるけれど、しかし当のオジサンというか夫は戻らないままに自由を続けていることだけれど、どちらもああ、ワカルワカルと感じる程度にはオジサンのワタシです。小説で人気が出るのもわかるけれど、どこか人を煙に巻くような雰囲気を纏うことも大人向けだなぁと思うのです。
活動を休止した時間堂の役者が観られて嬉しく、尾崎冴子は怪しげな宗教家も楽しく、これで役者業を止めるというヒザイミズキは凛とした妻が神々しくもあり。ウサギを演じた木内コギトは序盤で観客席に浮かぶ疑問符を強引に物語世界に引きずり込む確かなちから、ウサギと旅する男を演じた小谷真一は凝り固まった日常から徐々に解放される感じが気持ちよく。
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