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2018.01.16

【芝居】「gaku-GAY-kai 2017 贋作・夏の夜の夢」フライングステージ

2017.12.29 18:30 [CoRich]

毎年の恒例企画。20周年。演劇120分+ショー100分。30日まで雑遊。

(第一部)
ホストとドラアグクイーンで分断された町、それぞれのリーダーが結婚を決める。その仲間の若い四人の男女が御苑の森で妖精たちによって不思議な体験をする。町人たちは、結婚の祝いのために演劇を夢見る少女の芝居を練習するために御苑の森にやってくる。「贋作・夏の夜の夢」

(第二部)

  • 2曲+オリジナル曲「アイハラミホ。の驚愕!ダイナマイトパワフル歌謡パフォーマンスしょー」アイハラミホ
  • しりこ玉の話し、ここがちゅるちゅるしてて痙攣してる、耳の中の水、青い鳥「佐藤 達のかみしばい 僕の話をきいてください」佐藤 達<..LI>
  • 子供は欲しいが男に嫌悪、子供を捨てる女を見つけ「朗読『水月モニカの百合物語〜家族計画』」水月モニカ
  • 女々しいと馬鹿にされていたアヒルだったが「女優リーディング〜おねえなアヒルの子」関根信一 (sissy duckling)
  • 「Dear My Girl Friend / アガペイズ」芳賀隆宏
  • スーパーの買い物、育てた子供は戦場に旅立つ「防弾エプロン」西山水木
  • レコードがかかり人形が。サイレンが鳴る「小夜子なりきりショウ リヴァイタル:ワスレナグサ」モイラ
  • パジャマ姿のコンビの当て振り「愛のジオラママンボガールズ」ジオラママンボガールズ
  • カバーも歌いながら紅白にも意欲「中森夏奈子のスパンコール・チャイナイト vol.9」中森夏奈子
  • 何かを飛ばし、何でもお見通し「今年もアタシ、第二部で何かやろうかねえ」エスムラルダ

第一部は ホストとドラアグクイーン、新宿御苑、小姓が日体大のマッチョなど二丁目のゲイ界隈の風景を戯画的に下敷きにしつつ、前半はわりとがっつりと「夏夢」を描きます。時に評判のミュージカルや歌手、お笑いのネタやちょい懐かしめの曲も織り交ぜます。ショー的でもあって、もりだくさん。若い男二人が一瞬恋に落ちそうになったりするのもフライングステージ風で楽しい。

さらに「町人たちの芝居」をがっつり膨らませます。人気作のかなりの数の決めシーンを断片的ではあるけれどこちらもかなりの完成度で知ってる人には楽しめるシーンがおなかいっぱいになるほど。元ネタに夏夢のシーンが有名という「アングル」もちょっと倒錯的であってたのしく。

正直に言えばどちらも、わりとがっつり盛りだくさんな上に歌い上げるたりダンスをがっつり見せるシーンも多く、レビューショーの様相を呈しているうえに、結果的には二つの物語を描いていてかなりのボリュームになってしまうために、ちょっと長い感じは否めません。どちらかだけでもかなり楽しめそう。

第二部は、毎度のショー形式で賑やかな演目も多くバラエティ豊か。もっとも2017年は第一部もかなりミュージカルっぽいシーンも多くてそういう意味でレビューショーっぽいので華やかさが一段と。

おなじみの「ダイナマイトパワフル〜」は初めて耳にする、みかんのオリジナル曲とか、ちょっとプライベートというか生活が見え隠れするのもたのしく。

「かみしばい」もいつもの安定。ダイナミックにコマを進めるマンガ風のところもあったりするし、まさかのコマをはみ出すような迫力あるシーンもあったりして新しい展開。

「おねえのアヒル」は翻訳も自分で手がけたようですが多様性を優しい視線で描く良作で、読み手の技量も圧巻。なよなよした鳥が群の中で差別されているがその優しさが銃に撃たれ暖かい土地に旅立てなかった父親を救うことの強さ、最初からそのままでいいと守り続ける母親の存在が印象的で、ごくシンプルに「違うこともそのままありのままでよい」というメッセージが強い。

去年と同じ「防弾エプロン」はあれから世の中どんどんきな臭くなることを実感する年の瀬、モーフィングアニメーションのように豊かに変化するシーンの数々が美しく。

「なりきりショウ」はおなじみの演目だけれどちょっと新鮮な感じ。人形が動き出す、すこしだけ怖い感じも含めて雰囲気のある一本。

こちらも去年とおなじ「マンボガールズ」は賑やかで楽しく。「三番街」の方は曲わかったけど、「ぽいぽい」は何だろう。見つけられず。

「〜スパンコール」は中森明菜の物まねネタだけれど、カバー曲まで彼女が歌うという体裁が徹底していてほっこりたのしい。

「何かやろうかねぇ」は例年のド下ネタは姿を消して少々寂しい気もしますが、ESPカードを当てるのは普通にちゃんとショー。終幕となる「エスムラルダ・デ・マンボ」は紅白での蛍の光と同様、もう音源ほしいぐらいにノリノリで楽しい新アレンジ。

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