【芝居】「三人義理姉妹」年年有魚
2017.11.19 14:30 [CoRich]
年年有魚の10周年にして活動休止公演★。 19日まで駅前劇場。90分。
大きな家。長男は無職のまま妻は看護師として働いている。
次男は父の地盤を引き継ぎ立候補するが、その土地・モスクガワに自身は行ったことはない。家にはスピーチライターや秘書が出入りする。
長女は副校長だが、次男の娘を教えている教師が突然家を訪れる。
狭い家の中では浮気っぽいことも起こるし、スクープ写真をねらわれているものもいる。
長女、長男、次男と三兄弟の住む大きな一軒家にその恋人や配偶者たちが住む家。三人(義理)姉妹というタイトル通り、そこかしこにチェーホフ「三人姉妹」の要素を交えつつ、いまどきの日本らしい要素もふんだんに盛り込んで描きます。
活動休止前の最終公演とはいえ、淡々と紡がれる物語。特に役者たちへの感傷というわけでもなく、 次男の立候補、長女の部下との恋心、無職の長男の浮気など、どうしてここにいるのかというほどにバラバラの指向だけれど、大きな家だからここに三つの家族が同居しているということに何の疑問も感じず、出て行くという発想すら浮かばない感じはなるほど少しばかり浮き世から離れた感覚なのです。政治家としてのスキャンダルはあっても誰も経済的には困窮していなくて余裕のある生活の中でそれぞれの悩みは抱えているけれど、じっさいのところ、わりと淡々としているように感じられます。ワタシには勝手に劇団が終わるとしても淡々と過ごす彼らの姿に重なって見えたりするのは気のせいか。
長女を演じたトツカユミコは歳を重ねた恋心、バカップルともいえるけれどちょっと可愛らしくもあって。 長男の妻を演じた山本珠乃は自立した女らしく力強さを全面に造型。 長男を演じた根津茂尚のクズっぽさはむしろ異質な存在で印象的。 人ならぬ何者かを演じた辻川幸代のコミカルも楽しく。ちょっと謎めいた次男の娘を演じた西澤香夏は幼さをきっちりと演じきります。スピーチトレーナーを演じた廣川真菜美はやけに色っぽく、惑わせる存在の説得力。
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