【芝居】「jellyfish」なゆた屋
2017.9.29 20:00 [CoRich]
なゆた屋、増席のおかげでキャンセル待ちから入れました。ありがたい。終演後には+1000円(ドリンク別)のバイキング付き。10/1までBlue-T。
記憶をなくす病になった母親、家を整理している娘が誰かの日記を見つける。弟は天才画家、自分は認められていないままで母親に認められる機会もなくしてしまった。父親とは別の男が喫茶店を営む母親の店に訪れ、子供たちと遊んだりしている。
モノトーンの衣装、日記から想起される過去のこと。父親とは別の男に好意を寄せる母親と子供たちという大枠を保持しつつも、いくつものバリエーションが描かれます。たとえば天才画家となった弟と自分を向いてくれなかった姉。たとえば海水浴で弟を亡くしてピアニストとして売れている姉。たとえば好意を寄せた母親との関係を絶った男が時間が経ってから店を再来し大人になった子供たちを目にしても、自分のことが認識されないこと。
トンネルをくぐった向こう側に見えた別の風景のように、あったかもしれなかったこと、選択したのとは別の道の結末を描くのです。あったかもしれなかったことを夢想することのよう。どれが真実かは明確には語られてない気がします。この手触りの物語だけれど、中身はちょっと不思議なSF風味。クラゲのように漂う人々を丁寧に描くのです。
終幕、最初のシーンのリフレイン、母親と出会った男、しかし終幕ではその誘いを固辞する男。何年も時間が経ち、大人になった子供たちがいる店に、その男が久々に訪れ、あのときに印象的な会話を交わしたはずの携帯ストラップを見せても、もう反応はなく。あのときそうしておけば、の気持ちの切なさは、年齢を重ねたからわかる感覚でもあるのです。
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