【芝居】「イエロー・ウエスト」モカイコZ
2017.9.23 14:00 [CoRich]
ホーム劇団ですが、まつもと演劇祭は初参加。ワタシも初見です。まつもと市民芸術館 小ホール。
人気アイドルを数多く抱える事務所。社長以下全員がカメラを極端に嫌っている。芸能雑誌のカメラマンが何度も撮影を試みるが、決して写ることはない。敏腕カメラマンとライターがスクープを狙ううち、その裏に隠された真実が見えてくる。
ガンアクション風の西部劇の賞金稼ぎをスクープを狙うカメラマンやライターに置き換えた舞台設定。マスコミに載ってなんぼなはずなのに、異常なほど写真を嫌うアイドル事務所という不思議なワンアイディア。砂漠つながりとしか思えないエリア51ネタを織り込みつつ思えば遠くへ来もんだ、な着地点がばかばかしく、楽しい。パワーで押し切るコメディは振り切ってこそ。
シャッターを切る動作を単にシャッターを押すのではなくて、光彩が開くように両腕を動かすというアイディアは動きを生き生きとするし、スツール型の椅子を重ねてバーカウンターの高さにするとか、逆さまにしてUFOにするとかの細かな見立て、あるいは腕を前後に広げてジャンプするだけで騎乗してるなんてのも、ごっこ遊びのよう。ネットで見かけた「小学生が演劇鑑賞でみたら狂喜する」は確かにその通りだし、そのパワーに乗せられて、なんかワタシまでうれしくなってしまうのです。ワタシのようなやや古い人間には、パワフルさとスピード感、更にはSF風味が惑星ピスタチオを感じたりもするのです。
砂漠の決闘シーンで、風に吹かれてころころと転がるアレを、役者の前転で見せる、なんてちょっとしたこと。こういう小さいことを過剰に積み重ねていくのが魅力なのだなぁと思ったりするのです。
ビリーこと敏腕カメラマンを演じた有賀慎之助はミシン譲りのパワフルでコミカルな役をきっちり。相棒となるライター・アニーを演じた奥堀まゆもまたコミカルで可愛らしく。二人のラブストーリー風な雰囲気を散りばめているのも、西部劇映画っぽくて楽しい。
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