【芝居】「大阪、ミナミの高校生 2」趣向ジュニア
2017.9.23 18:00 [CoRich]
趣向ジュニアとして、精華学園精華高等学校演劇部「旅する演劇部」に、木内コギトを加えた座組での公演。徳島での上演のあとのまつもと演劇祭参加。ピカデリーホール。
反省文を何度も書き直しさせられる女子高生、同級生の恋人と早朝の教室でしてしまったことを叱られている。反省文の書き方はおろか、なにが叱られているかがわからない。ずっとまじめに考えているのに、何日間も。
女子高生と教師二人の会話を軸の物語として、そのシーンを挟むように、高校生の等身大の語り口での、恋愛にまつわる一人語り。それぞれの素なのか作り上げた台詞かはわからないけれど、奥手だったり進んでいたりといろんな高校たち。もうそれだけで眩しい。 いわゆる進学校ではない学校。反省文といっても繰り返しあやまるだけの文章を延々と書いたものを出してくるような幼さと、教室でセックスすることの素朴さと。大人びてみえるけれど、やっぱり幼い感じ。 結局は許されないバイトがバレて。退学になって行方が判らなくなってしまうのは悲しいけれど現実っぽいはなし。 恋人である男はさっさと反省文を上手に書き上げて反省するように巧く立ち回ったけれど、この芝居の彼女は、幼いなりに懸命に考えて「なぜ教室でセックスしてはいけないのか」にひたすらに向き合うのです。先生がこういうから、ということに引っ張られずに、法律にあるわけでも校則にあるわけでもない「常識」を疑うことの純粋さ、だけれどそれが高校生にもなって、という危うさ。この年代だからこその瑞々しくて、もうひたすらに眩しい。
と言うぐらいの学校なので、まっとうに数学を教えられなくて足し算から、みたいな教師の苦悩もまた現実。演じた木内コギトが実によいのです。金曜夜に行われたシンポジウムでは作家・オノマリコ、旅する演劇部だからこそ、晒すような等身大の自分を語ること、それがある種の自信を得られることを語っていて、確かにこれは教育の一環なのだということも、しっかりと見えてくる一本なのです。
朝一番の劇場まわりでは、輪になって発声練習、なんて姿の横でひなたぼっこよろしくぼんやりとした朝、なんてのも演劇祭のおもしろさなのです。
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