【芝居】「かけおち」TOKISHIRAZ
2017.8.5 14:00 [CoRich]
つかこうへいの作品。ワタシは劇団含め初見です。NHKのドラマとしての放送もあったよう。(NHKアーカイブ) 120分。6日までザ・ポケット。
30歳になるにもかかわらず写真にかまけて働いてもいない男。大金持ちの家の一人娘と恋仲になり、転がり込んで5年が経つ。婿養子として家に入ることを期待され婚約を決めたある日、どうしても断れない見合い話が娘に持ち上がり、形だけでも見合いをすることになった。相手は父親の会社を一代で建て直した優秀な男で、女を15年も想い続けてきたのだった。最初は形だけといっていたが、女も父親も見合い相手に惚れ込んでしまう中、婿養子に積極的な母親だけが味方だった。
女は見合い相手のことが忘れられないが、婿養子をとり土地と財産を継ぐように育てられそれを手放す気にならず、婚約者を不甲斐ないと思い見合い相手への思いがつのる。いっそ奪うといった見合い相手のように、婚約者に自分を奪ってほしいといい、誰も反対していない結婚なのに婚約者と二人で夜汽車に乗って京都へ駆け落ちの逃避行をはかる。
京都の旅館の人々は駆け落ちの二人を暖かく迎えるが、何日も迎えがこないままの日々を過ごすうち、その盛り上がりもなくなり、駆け落ちした当事者たちも喧嘩しがちになる。
宿を突き止めた見合い相手の運転手が刃物を持って乗り込んでこようという電話をかけてくるが、婚約者は二人の愛を守り通すため、部屋のガス栓をひねり、心中を図るという。
コメディというより、不条理感あふれる話。許嫁よりははるかにまともな男とのお見合いで恋に落ちるけれど、家の存続という一点だけでそれは叶えられないことで婚約は変えらないという枠組み。格落ちだけど婚約者だから、という気持ちで、ひとときの盛り上がりだけで誰も反対してないのに突然駆け落ちを決心したり、誰も探しに来ないけれど駆け落ちしたのだからガス心中を図ったりのドタバタ。荒唐無稽もいいところだけれど、役者の魅力を見せる、というつか芝居の魅力に溢れる一本なのです。
駆け落ちする女を演じる佐藤みゆきはコミカルな役はめずらしい気がします。新しい一面。
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