【芝居】「キョーボーですよ!」チャリT企画
2017.6.11 15:00 [CoRich]
13日まで新宿眼科画廊、地下。70分といいつつ60分ほど。まさに共謀罪が国会で扱われるドンピシャなタイミングの一本。あのテレビ番組のグラフィックに似せたチラシデザインが実に秀逸。
共謀罪も憲法も変えられた日本。脱原発や憲法9条にこだわる集会に顔を出しているメンバーが居ることを理由として共謀を疑い、サークルメンバーを密偵に監視を続ける警察。サークルのこの形に違和感を感じるメンバーも居たりする。
料理サークルではあるけれど、サヨク寄りのメンバーの多いサークル、やむにやまれぬ社会への問題意識や草の根の些細な活動する人々。目をつけられれば余罪を調査し罠にはめるように行き過ぎとも思える捜査がたとえ立件に至らなくても、それはやがて物言えばくちびる寒くなる感覚が広がり、云いたいことを云わなくなる時代の始まり、という流れをシンプルに、多くの笑いを交えて描きます。 そんなことしたても(たとえば昨今主流の一匹狼型の)テロは結局防げないじゃないか、という終幕の語り口は明確に作家のイデオロギー。
1時間ほどの短編とはいえ、チャリTならもっとやってくれると思ったけれど、ちょっと食い足りない感じは残ります。世の中でいわれている問題点の指摘をわりとそのまま並べてストレートに芝居にしただけ、という感じではあって、そういう意味では物語そのものに新鮮な驚きはなくて、行き着くべきところにいきつくだけ、という感じではあります。それでも、明確なイデオロギーを乗せて軽い語り口で話を語る彼らの存在は間違いなく貴重な一本。 「でんでん」とか「もりかけ学園」とか揶揄して笑い飛ばす新聞読みな作風は変わらず健在で、そんなあの人の存在にちょっとため息も出てしまうのだけれど。
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