【芝居】「僕が見ている世界は歪んでいる」螺旋階段
2017.6.10 15:00 [CoRich]
小田原の劇団。アタシは初見です。95分。11日まで青少年センター。
5歳で隣に養子に出された弟。産みの母親と兄は二人暮らし、兄は家を出ようとしている。育ての家には姉が二人と父母で明るい家だが、養子として育てられ20歳が近づき、鬱積してきた不満をぶちまけようと考える。 二つの家庭の場所と、同級生たちと話す外らしい場所、20歳が近づいた最近と子供の頃から育ってきたさまざまな場面を行きつ戻りつ描きます。正直にいえば、行き来する時間を分ける演技も演出もあまり明確になされないために少々混乱するアタシです。口調とか照明とか簡単な方法もありそうなものですがストイックなほどそういう分かりやすさに走らないのは何かのこだわり、という気もしますが。
当日パンフによれば、作家自身はコメディとして描いたのだというけれど、養子とかその家族のいびつさを静かに描く今作を誰にも受け入れられるコメディと感じ取るのは難しい。もちろん書いた作家自身にとってはそれは切実で日常で、笑っちゃうようなことかもしれないけれど。 5歳から20歳まで育ってきた養子、少々いびつで歪んだ家族の中で育てられたという感覚を吐き出すことなく、あるいはすぐ隣なのに産みの母親にも会わず、内に鬱積を溜めてきたこと。おそらくは彼にとってはそういうさまざまないびつさ、歪みを持つ人々の特殊な状況で育てられててきた自分、と世界を見ているということ。
主人公たる彼に見える人々の視点で統一して描かれる人々が「主人公にとっては特殊に見える人」なのか「客観的に癖もあって特殊な人」なのかが見えづらい気がします。台詞として「誰もが特別なのだ」ということがどう見せられるか、がポイントなのだけれど。まあ言うだけの観客は気楽なものですが。
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