【芝居】「黒塚家の娘」シスカンパニー
2017.6.3 18:30 [CoRich]
能「黒塚」をモチーフにしたオリジナル戯曲。 11日までシアタートラム。85分。
森で迷った牧師の男は老婆に教えられ霧の中大きな屋敷にたどり着く。そこには若い娘と年老いた女が住んでいる。開かずの扉の向こうには多くのむくろが眠っている。
人の肝を喰らい生き続けてきた老婆という “安達ケ原の鬼婆伝説”(wikipedia)を由来にした能「黒塚」(wikipedia)を下敷きにしつつ、キリスト教の牧師をめぐる現代風にアレンジ。ホラーめいた伝説がもとになっているのにもかかわらず、全体にコミカルで掛け合いの面白さ。
スピノザ派、に属するという牧師の設定は神がわざと人間を不完全に作ったのは、完全を目指して成長するためだ、という視点のものとして登場するシーンは、少々スノップな香りを漂わせてわりと苦手なアタシですが、商業演劇客層を狙ってか、全体のコミカルさが気楽に観られるコンパクトな一本を作り出すのです。 視力が弱いから、ということだからこそ明かされる母娘の隠された真実。研ぎ澄ませて対峙すれば真実は見えてくるというファンタジーを背負う男を演じた高橋克実の飄々と軽い感じと、ゆっくりと語り真実味溢れる感じを自在に行き来するすごさ。鬼婆を演じた渡辺えりは時にとぼけた雰囲気だったりも垣間見せたりして印象的なのです。
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