【レビューショー】「日本国 横浜 お浜様 〜yokohama music revue show〜」もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡
2017.5.21 13:00 [CoRich]
神奈川県の文化事業として行われる「地劇ミュージカル」の上演に向け1月のコンペで優勝し、8月の上演を目指す、劇団・もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡によるミュージカルのレビューショー。15曲を詰め込んだ80分。21日までラゾーナ川崎プラザソル。
横浜・本牧の高校演劇部が文化祭上演に選んだのは顧問の友人が書いた戯曲「日本国 横浜 お浜様」だった。いわゆる風俗店の一種・チャブ屋と、そこで働く娼婦・メリケンお浜を題材にしたものだったため、顧問はその採用を渋っている。娼婦とはいえその時代を生きた人物を描きたいと高校生たちは熱心だ。
オリジナル曲もミュージカル曲も歌謡曲も混ぜあわせ、これから上演予定の「〜お浜様」がどういう世界を描くかに触れつつ、その上演へ向けて動く人々の物語、というちょっとメイキングの風味を持たせたCMという趣。レビューショーらしく、全体に華やかで、時にミュージカル・シカゴのように色っぽく、時に港のヨーコヨコハマヨコスカを替え歌にしてコミカルなパートもあり。バラエティ豊かで見飽きない物語をごく短く作るというのは巧いやり方。
オリジナル曲だけに頼らず、きちんと権利をクリアしたであろう既存の曲でのダンスレビューを仕上げるのも、ある種の割り切りだと思うのです。堅くなりがちなその地元の物語を継続的に上演していくことで本編となる上演に結びつけていこうというしたたかさ、それはタイトル「日本国 横浜 お浜様」の意味(まあwikipediaに記載がある程度ではあるのだけれど)のみならず、その時代背景を含めて「メリケンお浜」の生きた時代のシンプルなレクチャーになっていてうまい助走だと思うのです。
もちろん時代背景が違いますから、自立している女といっても現在の私たちの価値観とはかなり異なるところもありますし、丹念に人物を調べていくといろいろな見方はありそう。が、この時間のこの場所に生きていた人々をどう描くか、ということは一歩間違えばあっという間に興味を失われるばかりか炎上になりかねない題材です。史実だからそのまま上演すればいいというわけでもない難しい物語の舵取りになるかもしれない、と思いつつ。あれ、もしかして俄然楽しみになってきた、と思ってしまうアタシなんですが。
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