【芝居】「仮面夫婦の鏡」ハイリンド
2017.4.23 18:00 [CoRich]
番外公演として、iakuの横山拓也の短編二人芝居、50分。 下北沢駅南口前の小さな空間・下北沢ギャラリー。販売されている戯曲集に収録されていますが、戯曲に後日の物語を足したような感じになっています。
結婚して長い夫婦。夫に無断で妻が整形し美しくなっていることを怒っていて、元の顔の味が好きだったのだといっている。一方で妻も言い分がある。夫もまた無断で整形してきたのだ。が、こちらはすこし劣るように。
もとはカッコイイ夫と美人ではない妻、愛し合って結婚はしたけれど、互いが真剣に愛し合っているがゆえに「歩み寄ろう」としたこと。美醜という尺度なのでちょっと意味合いが変わるものの、いわゆる「賢者の贈り物」の物語と感じるアタシです。それはわかった上で結婚したのだから、美醜は大した問題ではないはずなのに、より近づいて溶け合いたいと思ったのか、あるいはその差が何かしっくりこないことなのか。
無職となった夫、家計を支えるために絵画モデルをしている女、それがヌードだと聞いて明確にそれを嫌がる夫の愛情の姿。画家といえば男という思いこみをあっさりひっくり返す小ネタも楽しい。
二人それぞれの背景がずっと言えないままにあったのだろうと思わせます。二人のすれ違いをコミカルにコンパクトに描くのだけれど、深い奥行きがきっちり描き込まれた物語は作家の確かな力です。
夫を演じた伊原農がやけにイケメンな造形。妻を演じた幸田尚子は過剰感の少ないフラットな役柄はむしろめずらしいぐらいだと思うのだけど、整形した美人に見えてしまう圧倒的な説得力。
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