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2017.05.14

【芝居】「鰤がどーん!」渡辺源四郎商店

2017.5.3 19:00 [CoRich]

7日までスズナリ。そのあと青森。

地区大会に進んだ高校演劇部。部員はたった一人、津波に襲われた村のと魚籃観音の物語。たった一人でここまで頑張ってきたが、同級生たちの目は厳しく、もう耐えられずやめたいと思う。
ある日カニにいじめられていたカメを助けて連れて行かれたのは、ある高校の演劇部、一人芝居をおもしろいと認めてくれていて、そこでみんなで演劇することが楽しい。

ネタバレかも

6年が経った震災、とりわけ津波にまつわる物語。序盤の劇中劇では東日本大震災で津波に襲われた村を、そこだけ何百年か前の津波におそわれたあとに「遅く時間が進む」状態になっている村を描き、亀に連れて行かれてからの後半は竜宮城を思わせる幸せな時間。その幸せな時間が延々に続くかもしれないというビューティフルドリーマーなのだけれど、そこから浮かび上がるのは、今は一人でもかつて仲間が居た演劇部の姿。津波で失った友のこと、初めて部室に来た時のこととか、やりたいことを全部やろうという気持ち。キラキラしている年代だからこそ日常が壊れ友が居なくなることのショック。 あの一瞬の津波が仲間たちを一気に奪い去り、一人生き残ってしまったために、自分を責め、それゆえに過剰にいろんなものを背負い、一人芝居を続けてきたのだということなのだけれど、きちんと前を向き進み始めている終幕は確かに高校演劇の雰囲気を纏うのです。

正直にいえば、沢山引用されているらしい高校演劇はわりと知らないアタシです。劇中劇的に現れているところはまあそうなんだろうと思うけれど。高校演劇に詳しければもっと楽しめるかなぁ。

キャストは多くが作演の畑澤聖悟の教え子たちで、卒業しOBとなっても演劇を続けている人々。明確に設定された主役、ひろみを演じた三上晴佳は舞台を走りきり、セーラー服もまた絶妙に似合ったりして。 吟遊詩人(ダブルキャスト)を演じた高坂明生のギターもとても良くてリズムを作り出します。

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