【芝居】「I'm stuck!」スクランブル
2017.4.29 19:00 [CoRich]
75分。30日まで神奈川県立青少年センター・多目的プラザ
作家の住む一軒家。離婚して息子は引きこもっているが近所に対しては隠し編集者の仕事をしているといっている。リゾート開発を控え土地が欲しい不動産担当者が日参する日々。ある日新しく担当となった編集者が挨拶に訪れ、引きこもった息子の同級生や担任教師も久々に訪れる。
年上の恋人と若い女性の喧嘩、作家の女が隠している息子、先生と呼ばれる作家と教師。こまかな勘違いを重ねたり、噂好きの女性が情報をかき混ぜたりして物語を進めます。 正直に云えば、誰が作家かの勘違いであったり、足がしびれるであったり。細かなオモシロを機能させ損ねてる気がします。些細なことをしつこく繰り返したり、やけに丁寧に説明しすぎな感はあって、もうすこし観客を信用してもいいのではないかとも思います。
初見の劇団なのでどういうテイストをベースにした劇団かは判らないのですが、今作に関して云うとワタシはコメディを描こうとしているのだと感じました。そこに親子や恋人、教え子や片想い、あるいは借金などままならない生き方をさまざまに描き、それぞれには小さな物語を持っています。せっかくリゾート開発でその場所が大きく変わるという舞台。現れない引きこもりの息子が階下の騒ぎに誘われてか現れる(となれば、アマノイワトなのかもしれないけれど)ことを舞台の終幕として大きく描くのに、全体には小さな物語を点描することに終始してしまうのもちょっと惜しい気がします。
教師を演じた緑慎一郎はこの芝居の中で唐突に気絶したり銃を持っていたりとかなりトリッキーな役割を担わされているのに、それを舞台のテイストのフラットさになじませる力でしっかりと抑えて好演。作家を演じた岡本みゆきは仕事ができるということの説得力を感じさせます。
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