【芝居】「ドアを開ければいつも」みそじん
2017.4.16 18:00 [CoRich]
料理屋の二階にある宴会場らしい部屋を舞台にして公演を続けてきた作品のこの場所での最後の公演。キャストを替えた2バージョンを2週末で、17日まで。 去年の一月の公演を観ています。そのときは翌朝に七回忌へでかけるためばたばたと準備するシーンがあったと記憶しているのだけれど、今回はそれがなく、やや唐突に終幕、という印象。もっとも、物語の根幹というわけではないのでそれは大きな問題ではありません。
結婚し家を出て子供が居る長女はいわゆる保守的な家族像、反発して家を出て奔放ではあったが結婚している次女の自立した女の姿、家を出たものの近所に住みしかし若いなりに会社勤めに忙しい四女の若い未婚の女の姿はいずれも家を巣立っていった人々だけれど立場の違い。最後に家に残っている次女は客観的には家に縛られている姿。女性四人のロールモデルがどう別れていくかは年代ときっかけにすぎないのだということ。物語の印象も、あるいは演出面で感じた感情の発露がやや唐突な大泣きという違和感も、前回と変わらず。そういう意味では役者が変わってもそう大きくは変わらない安定の物語。それはこの料理屋の二回という場所で季節を変え役者を替え丁寧に紡ぎ続けてきたゆえの強固さだということだと思うのです。
長女を演じた小林さやかは、自分の歩んできた現在が幸せの全てと信じて疑わない女性の姿を強固に。次女を演じた斎藤ナツ子は秘め続ける想いをしっとり。序盤でラジオから流れる音が少し気に障り止めるシーンがちょっといい。三女を演じた大石ともこはパワフルさで切り開く自立の姿、四女も同じく自立に向かうけれど時代を会社員という造形でちょっと違う印象で対比。演じた鈴木朝代は末っ子な可愛がられ方の説得力。
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