【芝居】「嘘いろいろ(B)」桃唄309+N.S.F.
2017.4.16 15:30 [CoRich]
桃唄のカフェ公演、Bバージョンはシェイクスピアを短編に仕立てるNSF+桃唄の再演。65分。
イアーゴ×エミリア、オセロ×デズデモーナの二組の物語「オセロ」(N.S.F.)
会社員を辞めて始めた食堂だけれど、やけに食い逃げの目にあう。売上はどんどん落ちている。店内で見かけた人影は「食い逃げカフェの小さな日記」(桃唄309)
「オセロ」は二組の夫婦の物語をシンプルに抽出。悪意のない木訥とした夫と上昇志向あるその妻という夫婦漫才風で始まり、オセロはその妻への負い目、妻はほかの男に取られるかもしれないという嫉妬心。ハンカチを落としそれがどこにあったかの行き違いが不義の疑いを生むけれど、それがあっさり皆殺しの結末。二人の会話を基本に組み合わせていき、ああ、こういう話を骨子に見るシンプルな楽しさ。歌い踊りということがないのはこの劇団では珍しいけれど、爆笑も生んで、じつは見やすく濃密な一本。
「食い逃げ〜」は再演とのことだけれど、ワタシは初見です。金融ブラック会社を辞めた女二人で始めたカフェというか食堂、客の入りはどんどん悪くなるけれど、それは貧乏神のせいでこのテナントはほぼそれで続かないという設定の面白さ。食い逃げされがち、というタイトルは序盤には出てくるものの、物語の根幹にあるのはよくない条件の相手とどう折り合っていくか、ということ。たとえばその店の屋根の下にしか貧乏神は居られないから、弁当とかテラス席なら影響は及ばないとか、「神」でなくなればその効力は亡くなるとか。最高ではなくても折り合って前に進む、という店長と店員、そして元貧乏神のチームになって前に進もうという終幕は実にポジティブで楽しいのです。
店主を演じた環ゆらは、意識高い誠実さだけれど、もしかしたら本当においしくないんじゃないかという微妙なバランスの造形。 店員を演じた中野架奈、ヤンキー上がりな口調が楽しく、きっちり喜劇の雰囲気。貧乏神を演じた石坂純はくるくると変わる表情が豊かで人の良さ。
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