【芝居】「コーヒー、キライ」関村後藤二人芝居
2017.3.26 16:00 [CoRich]
2011年初演の二人芝居を改訂再演。 26日一日限り、Live space anima。40分。
初演の基本的な構成は同じで、喫茶店に兄を呼びだしたいい歳した妹がアイドルになりたいと言い出してからの数ヶ月。テーブルと椅子、コップに水というシンプルな舞台でポータビリティありますが、じつは関村俊介という作演かつ役者のアイドル愛と会話の間合いがかなり重要な役割を持っている気もします。それでも、上演形態の手軽さに加えて、アイドルと家族というわりとポップな題材なので、リーチする観客層はとても広くて、映像でもラジオドラマでも成立する懐の深さがあるように思うのです。
初演の25歳設定から役者の年齢にあわせて35歳設定にしたようですが、実際のところあまり変わらないように見えるのは、ある種の幼さを残した女優のセレクションによるところが大きいように思います。日本の現状では20代後半以降にアイドルを目指すのはよっぽどの勝算がないとイタいだけになってしまうという下敷きの上で、ノーアイディアではあるけれど、話題づくりや炎上でのし上がろうとか、ブログや動画などのネット動画はがんばろうとか、周辺の手練手管ばかりにはやたらに詳しいというあたりのおかしさ。アイドル界隈には詳しくないアタシですが、もしかしたら現実の何かを引き映してるのかと思ったりも。
後藤飛鳥は、まあそれにしてもアイドル目指してもおかしくなさそうなある種のかわいらしさ、それはたとえば声とか背丈とかだったりもするのだけれど、それをきっちり体現。 関村俊介は、つっこみとアイドル愛と妹への愛情からの巻き込まれ感から、終盤に向けて静かに狂っていくグラデーションの楽しさ。
ごく狭いライブスペースで椅子席。出捌けがないことを巧く使って、役者が舞台に上がったあとに通路をまで席を移動させて観客に余裕を持たせ、知り合い客は場所をずらして遅れ客に対応しやすくする。小さい芝居だから成立する方法だけれど、すごく効果的。座っている女優の顔がみえるような位置に動いてという指示も実に的確で、当たり前のことを当たり前に的確にコントロールできることのすごさ。まあ、知り合い客が一定の割合で居るということでもあるのだけれど。
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