【芝居】「これは中型の犬ですか?」あひるなんちゃら
2017.3.11 19:00 [CoRich]
80分、12日まで駅前劇場。
女は今まで犬を見たことがなくて、犬を飼うのが憬れになっている。同居している兄が犬を嫌がるので飼うのを反対されているが、兄もその妻も家に居るだけで働いていない。女の勤める会社では会社を辞める男を止めようとしているが決心は固い。課長は次の職業が気になってしょうが無く、先に当てたほうが上司になる提案をしてしまう。果たして女は犬を飼えるようになる。
犬を見たことがない女、兄弟に反対されながらその望み叶えるという一本を軸にしつつ、オフィスの小さな場面を点描。働いてないのに調子がよくはしゃぎがちな兄夫婦にいらっとする気持ち、会社を辞める人が次になにをするか気になる気持ち、軽々しく役職を賭けてしまう上司を困った人と感じること、あるいは社長の娘が意味なく高貴に見えちゃうことなど、日常の中にある風景をすこしデフォルメした点描の楽しさは、それぞれの登場人物の魅力的な造形とあわせて楽しめる、いつものあひるなんちゃら節なのです。
町で犬を見かけたことがないと思っていたけれど、犬を飼い始めて町にあふれる犬を認識するようになった、見えていたはずのものが見えてなかった、というちょっと哲学めいた台詞はかっこいいけれど、それをあっさり会話で流してしまうというのも作家らしくてカッコイイ。
つっこみ役の多い澤唯を、ちょっとおかしなことを云ってボケ倒す役でみるのは珍しいけれど、楽しい。若くして部長にまでなっている女を演じた宮本奈津実はツクリモノ感はあれどクールビューティをしっかり。 久々に拝見する渡辺裕也、四つん這いで現れるコミカルさ。主役を演じた新劇団員・田代尚子、おかしなことを云うというよりは、たった一つ世間からずれているというだけでいろいろおかしな人になってしまう造形かと思っていれば終幕、四つん這いで目がキラキラしてというのは、まさにいっちゃってる人ではあるのだけれど、神々しい。劇団員二人、で夫婦を演じた根津茂尚、篠本美帆はバカップルぶりが安定で楽しく。
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