【芝居】「Kテンペスト」まつもと市民芸術館
2017.3.12 13:00 [CoRich]
まつもと市民芸術館から長野県内各所での公演を経て神奈川芸術劇場(KAAT)で12日まで。130分。
弟に裏切られ、娘と友に島に流された男、恨みを持ち不便な暮らしをつづけるうち、魔法を手に入れる。ある日、近くを通った船に弟たちが乗っていることを知り魔法を使って嵐を起こし難破させ、島に流れ着かせる。
舞台面をスケートリンクのように四辺の高くなった客席で囲った舞台。観客の一部は舞台面にしつらえられた椅子に座ります。開場時間中から役者たちは役者同士、あるいは観客に話しかけたりしていているフラットな状態から、やがて物語が立ち上がります。日常の私たちの街角の延長から祝祭感あふれる芝居が立ち上がります。四辺からの出捌けもあって、地続きの場所から物語が立ち上る雰囲気を作り出すのです。
不勉強なことにテンペスト自体を観るのが初めてのアタシです。恨みをため込んだ男が魔法の力を借りて船を難破させるまでの恨み、難破した方はそれぞれの思惑で物語が動きかけるのに、終幕あっさりと許されるのがちょっと肩すかしに感じるアタシです。
歌であったり、あるいは舞台のあちこちで奏でられる楽器、あるいは口琴・ホーミーの深い音によって醸し出されるフォークロアさも印象に残ります。
忠実な老顧問官・ゴンザーローを演じた中村まことは序盤の空気をゆるめつつ、実直さが勝る造形をしっかり。ナポリ王を演じた真那胡敬二は産院のシーンも楽しく。島の原住民を演じた佐藤卓はガサツでありながら愛すべきキャラクターで印象に残ります。
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