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2017.02.19

【イベント】「かけみちるカデンツァ」(月いちリーディング / 17年2月)劇作家協会

2017.2.11 18:00 [CoRich]

横浜で二回目となるリーディングとブラッシュアップの議論のイベント。YouTubeで録画が配信されています。

赤いカーディガンを着た女がボトルメールを海に流すとゴカイが現れる。ボートピープルがその浜辺にやっとの思いでたどり着く。
住宅展示場ではいろんな不思議な間取りがたくさん。観葉植物を育てる女。コールドスリープで何万年もかなたに旅をする一団、たったひとり精神だけが早く覚醒してしまった女の孤独な旅の前途。
一人の娘に二人の母親、一人は失った娘を忘れられず、一人はいないはずの娘を追い求めているが、娘は 夜中に家を抜け出して居場所をもとめて暴徒ピープルの中に身を投じる。

膨大な言葉遊びと思わせぶりな断片、いくつか設定された場面の断片を細切れに繋いでいます。正直に云えばリーディングだけでは徳に前半は言葉遊びで紡ぐスノップ臭さを感じて入り込めなかったアタシです。ディスカッションでも指摘のあったとおり、後半に急速に物語を紡ぐような感じはあって、アタシにとってはディスカッションのあれこれを聴いてみれば楽しめる、という敷居の高さがありますが、作家自身はこれでももっとも判りやすい一本なのだといいます。

身体がいわゆる植物状態となった少女の頭の中、というのが物語のベース。頭は明確に働いているけれど外で起きていることは判らないし、自分の意思を表現することもできない状態で、一人で物語を紡ぎ続けること。いつ終わるともわからない膨大な時間の絶望は宇宙船のコールドスリープの物語につながります。二人の母親のシーンはワタシには明確ではなくて、外で現実に起きていることなのかあるいは少女の頭の中で考えたそとのことなのか。植物、ということの連想からは住宅展示場と観葉植物の断片が語られます。振り返ってみれば断片それぞれには意味がありするすると繋がっていきます。元々の企画が女優ばかりで人数を指定した企画公演に向けて書かれたものだそうなので、登場人物の人数も物語に対して少々多い感じがしないでもありません。

手強いホンに対して、ベテラン勢で固められた俳優陣。台詞の言葉や声色の力強さを見ているだけで楽しめるという一面は、贅沢な楽しみ方なのです。戯曲は読んでおいて、当日の朝からの練習だけでこのクオリティ、ということの心強さなのです。

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