【芝居】「ローザ」時間堂
2016.12.29 20:00 [CoRich]
2012年上演作を時間堂の解散公演として上演。31日まで、十色庵。20時開演がうれしい90分。
男性の俳優一人がダブルキャストなのに気づかず日時を決めたアタシです。結果として初演と同じで、全体としては75%が初演の俳優だけれど役を玉突き的に変えているよう。トークショーによれば芝居もあまり変えてないとのことだけれど、例によって初演を忘れているアタシです。
革命の理想に向けてストイックだった女、殴り殺されてからの5年後の墓前にぐうぜん集う人々。みんなの幸せを求め向かう方向は同じなはずだったのに、肝心の労働者たちをブタという衆愚だと認識するに至った人々。墓の中に居るローザはみんなの理想なのです。
それはアイドルとも云えるけれど、それぞれの人にはそれぞれのローザ像があって、それぞれの理想によって補正もかかっていて、違いがあって。墓前の人々の会話を織り交ぜながら、時間軸をさかのぼりながら かわるがわるローザを演じるのは、それぞれの人物がローザとの関係や距離を改めて測る作業。それを始めようという時点ですでに唐突でリアルではないし、演じることが誰にでも出来るというのも演劇の側の人々の論理で作られた物語という気はしますが、それぞれの理性による補正のかかった形で一人の人物を描くというのは演劇的な効果を生むのです。ローザを赤いレース布一枚に託すのもちょっと洒落ています。
情けないことに史実に基づく背景は相変わらずぴんとは来ないアタシですが、こういう演劇的な仕掛けのおかげもあって、退屈しないで観られるのです。
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