【芝居】「ゴールデンスランバー」キャラメルボックス
2016.12.24 16:30 [CoRich]
伊坂幸太郎の人気小説を初舞台化。 兵庫公演を経て25日までサンシャイン劇場。125分。
大学の頃つるんでいた友人4人のグループの一人から呼び出された男は首相のパレードが爆破された場に居合わせてしまい、警察から追われる。友人の家を転々としても警察は追ってくる。しがない宅配便ドライバーの男だが、かつて小さな事件を解決したとして地元ではわりと知られた存在になっていた男は警察の発表によりあっという間に逃げ場を失ってしまう。一度は警察に捕まるが連続殺人を犯していた男が偶然助ける。 警察が追っているのは、暗殺犯ではなく、意図的に仕立て上げられた暗殺犯にしたい男のようだ。
小説も映画もみてないアタシです。ものすごく多くのシーンを組み上げます。あるいは権力による陰謀により唐突に犯人に仕立て上げられてしまった男の逃避行と、そこで出会うさまざまな人々。自分の味方だと思った人すらも敵かも知れないことの疑心暗鬼、心安まるところが見つからず逃げ回ることと、シリアルキラーの犯人が手を貸してくれたりと、人の表と裏をこれでもかと見せつけられても諦めずに窮地を脱する主人公の強靱さが物語を牽引します。
劇中、人々の目前で男が人質を取るシーンを、観客のスマホで撮影させるという演出がちょっと面白い。シャッター音が消せないスマホでの撮影によって、シャッター音が嵐のよう。どの芝居でも使える方法ではないけれど、SNSでの拡散も含めて巧いやり方です。
逃げ続ける男を演じた畑中智行はちょっと情け無さそうな雰囲気が持ち味だけれど、泣き言を言いながらも進み続ける人物を好演。元恋人を演じた渡邊安理はすっかり大人の女が巧い役者、昔の恋人の今を信じて行動する力強さ。現在の時間軸ではすれ違い続ける二人だけれど、行方が判らなくなった男の整形後にエレベータのボタンの押し方で気付く美しいシーンもかっこいい。
前作に続けて客演となった一色洋平は軽快で圧倒的な身体能力をもったシリアルキラーを演じます。軽く優しい口調なのに怖い事を云うぞくっとする格好よさが圧倒的な印象を残すのです。
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