【芝居】「コーラないんですけど」渡辺源四郎商店
2016.12.31 17:00 [CoRich]
11月の青森公演に続いて年末年始にこまばアゴラ劇場で1月2日まで、そのあと三重。
青森で観たときに比べて物語そのものは大きくは変わりません。ミラーボールがあったり、民間軍事会社マスコットへのスポットライトとか、ちょっと劇的なところのダイナミックレンジを広げた印象ですが、使える機材を生かしたという気もします。コンビニ店員が五輪風だった気もするけれど、端っこだったので巧く確認できず。
こどもがどうであれ何処までも無条件に愛を注ぎ続ける母親。帰りを待ち続ける長い日々、そこに戻る大人に成長した息子。実際のところ、この物語は国に騙された国民という反戦の立場でも、あるいは派兵されて成長して戻る息子という武力行使をポジティブに捕らえる立場でも、どちらの観客にもその立場のままリーチするように感じるところもあります。作家の立場は明確に反戦であろう、とは思いますが。それは親子の愛情はどちらの立場でも変わらないど真ん中の物語を軸にしているからかもしれません。声高に反戦を主張しないのもまた作家の持ち味なのです。
東京の少々浮かれた年末の一日に観たこの芝居と、青森駐屯地からの派遣直前という時期に青森で観た芝居は同じモノだけれど、観る場所と雰囲気によって迫ってくるリアルとの距離の違いに戸惑うアタシです。青森では当事者に近く感じたアタシなのに、東京で観ているアタシはちょっとヒトゴトのような、よく言えば俯瞰のように観ているなと思うのです。もっとも、二回目だからというだけのことかもしれないけれど。
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