【芝居】「全裸物語 改め 実家物語」ろりえ
2016.12.30 19:30 [CoRich]
31日までシアター風姿花伝。120分。
歌手になりたくて上京していた妹は夢敗れ夜のバイト、一緒に暮らしている男はバンドではないものの音楽を仕事にしていて昼夜のすれ違いの日々を送るが、あるきっかけで別れることになる。姉は実家で暮らし母親とくらしているが、台風をきっかけに家が壊れ、母親も痴呆が始まる。妹は久々に実家に戻ってくる。
バンドや歌をふんだんに盛り込んで、東京や音楽への憧れとその夢が破れた姉妹や若くして亡くなった天才を追い求める残された人。あるいは好きなことを仕事にしたとしても、すべてを捧げるかどうかのせめぎ合い。いろいろな物語を盛り込んで点描のように描きます。
正直にいえば、盛り込んでるわりには楽曲込みとはいえ120分では少々間延びしてる感じもあって、90分ぐらいに濃縮したものを観たいと思うのです。正直にいえば、若くして亡くなった沖縄生まれのギタリスト、東京に出て一時はアイドルでもあった妹、CM曲作曲を仕事にしている同棲している彼氏でほぼ物語が構成できているのに、物語に貢献しない役が少々多い気がするのもその理由かもしれません。
もう一つ、最初東京に出たのは姉なのに何も果たせず戻ってきて、妹はその後に東京で一時期はアイドルに、というのも、そうする理由が今一つわからなくて混乱します。沖縄生まれのギタリストのストリートライブをみかけて、というシーンは美点ですが、もっと物語に生きそうなのにあっさりそれをしないのももったいない。
妹を演じた洪潤梨は可愛らしく前向きな役によくあっています。ライブハウススタッフを演じた岩崎緑との友達感もいい。亡くなったギタリストを演じた尾倉ケントのイキオイある雰囲気。追い求めるベーシストを演じる高木健の諦めきれなさ。広告代理店の男を演じた松下伸二は飛び道具風だけれど、パワフルで押し切りこれはこれでアリな感じ。
CM曲で稼ぐ男を演じた安藤理樹は、好きを仕事にした自信、クライアントからの無茶ぶりに折れそうになりながらも自分を貫く人物を細やかに丁寧に造形。亡くなっているのに自覚してない父親を演じた岡野康弘は周りと少しずれたおかしみがペーソスを生み印象に残ります。
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