【芝居】「ジャパコン」チャリT企画
2016.12.4 14:00 [CoRich]
125分。4日まで座・高円寺1。
2020年東京オリンピック開会式を間近に控えた民泊を営む家。には外国人の客も来るようになっている。オリンピックの直後に予定されている改憲をめぐる国民投票に対して改憲には反対しているが、大学生の息子が最近右翼の活動に参加していると疑っている。
南海トラフ地震が起こり、夫の弟夫婦が愛媛から避難してくる。妻の姉夫婦は長崎に暮らしているが、オリンピック開会式のために半ば強引に泊まりにくるが、肝心のチケットは長男が盗んでしまっている。男尊女卑な義兄のことが苦手だ。
日本会議「ジャパコン」をタイトルに、右翼左翼に中道の親戚三家族を一同にあつめ、護憲ポスターが破られたりLGBTのことが許せない父親だったりを並べ、どちらかというとリベラル寄りに右翼を揶揄するように持って行くかと思えばさにあらず。 イメージに反して右翼でも穏やかに話す人だって居るし、逆に左翼リベラルといっても喧嘩っ早い人だって居るというごく当たり前のこと、改憲の国民投票が「緊急事態条項」といわゆる「家族条項」から行われると仮定し、それが冷静に議論が行われるべきで右でも左でも個々人としてのイデオロギーの独立が担保されるべきだ、というびっくりするほどど真ん中のしかし、徹底が難しいことをしっかりと描くのです。家族であっても独立した人間であり、生きたいように生きる自由が担保されるべき、という信念にも似た力強い声。
一回りしてそれぞれの家族が家族として暮らせる平穏にみせた終幕、何が起きているか知らされないままに「緊急事態」となり人が町から姿を消し買い占めに走る不穏さを感じさせて終わる物語は、しかし改正の危惧を感じ取る作家の気持ちだと思うのです。
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