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2016.12.15

【芝居】「明後日まで内緒にしておく」らまのだ

2016.12.4 17:00 [CoRich]

演出家コンクール2016で演出家が優秀賞、第22回劇作家協会新人戯曲賞で作家が受賞を受けた、らまのだの新作。110分。4日まで楽園。

田舎町に作られた全寮制の予備校、受験まで三ヶ月。教師たちの給料は安い。授業はほとんどDVDで行われ、スクーリングは行うものの、教師たちは特別講義や教材の販売で売り上げなどのKPIを管理されている。
家の余裕が無くなったので女子生徒が一人辞めるという。教師のことが好きで去りがたい。別の女子生徒と別の教師は日常から逃れるために部屋に行ったりして恋人な気分を味わっている。
この予備校のKPIは悪く、建て直しのために本部からもう一人派遣されてくる。が、状況はもっと悪く本部からもう一人やってくる。

田舎町、そう人数の多くない全寮制の予備校、日常に飽きていたり日常を暮らすことが一杯だったり。忙しかったり給料が安かったりしても続いていくはずだった日常が崩れ組織が底割れは今どきの日本という感じがしないでもありません。ごく狭い範囲での物語は、それぞれの夜があるという雰囲気だったり、それぞれの好きとかいけ好かないが混じり合う空間。

L字型の客席、アタシの座ったLの縦棒側の壁際、扉がこちらに向かって開く(ので、そこの芝居が何一つ見えない)のは演出なのか装置なのか責任の所在がわからないけれど、これはあまり巧くない。

モテるし包み込む教師を演じた井上幸太郎、格好良く、温かい雰囲気。本部から訪れる女性を演じた渋谷はるかの、リストラを背負い伝える重さ。私費でわざわざ来たという誠実さのキャラクタ。辞めて久々にベンツで訪れた男を演じた斉藤コータは浄水器の販売、騙しそうな口上が楽しいが、こういう大儲けは長くは続かず心折れるという落差をしっかり。リーダーの女性を演じた斉藤麻衣子は巧くいってないこの場所を続けるための心意気、それは厳しいと言われても売上が必要という組織の事情。

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