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2016.12.31

【芝居】「どこまでも行けるのさ」第27班

2016.12.18 17:00 [CoRich]

鉄道路線とそこで暮らし乗っている人々を描く劇団の人気作をまとめて上演。アタシは中央・総武線と銀座線を描く二人芝居二本立てのCバージョンのみ。70分。21日まで新宿眼科画廊。

姉が妹を訪ねて上京してくるが、東京駅に迎えにいく朝は寝坊して迎えに行けない。姉は自力で高円寺を目指そうとするが、すれ違う「中央・総武線編」
女の実家の浅草に行くために男と二人、渋谷から地下鉄に乗る。「銀座線編」

「中央〜」は上京して地理に疎い姉が駅を間違えまくってすれ違う序盤。高円寺と高尾など少々無理筋なネタもあるけれど、東京駅から高円寺に移動するだけなのに多摩や千葉へ大きくスイングする物量作戦。徐々にみえてくるのは、地元が嫌いで飛び出し上京して数年が経った妹を呼び戻すためにやってきた姉という構図。上京の気合い、夢破れて地方に戻るみたいな構図は少々ステロタイプに過ぎる気もするけれど、30分のうち前半は笑い多く、後半をしんみりとするおかげでごく短い物語に見せるのは上手い方法。
序盤での電話、観光かといえばそんなわけないと答える姉、理由はわかってるはずなので少々ミスリードな気がするとか、あるいはトランクを返すと言って上京した妹、同じトランクを持って上京する姉というつながりに少々ひっかかる(台詞がやけに重く感じて、返さなかったと思い込んでしまった)のだけれど、そう大きな問題ではありません。

「銀座線」は渋谷から浅草に向けての各駅に止まるうち、シートに並んで座る男女が生きている時代が現在からバブル、高度成長、戦争と遡っていくのがポイント。そのカップルは初めてのデートから結婚の申込や子供ができたりと、おおむね順方向の時間軸になっているのもちょっと洒落ています。思いつきというか技巧の面白さがポイントなので、細かなブラッシュアップができそうな気はするけれど、東京では戦前に開業した唯一の地下鉄を選んだおかげで激動の時代を描けること、浅草から渋谷への一方方向の延伸を繰り返し他路線乗り入れもない路線を渋谷から浅草に向かって走らせることで時間軸にもうまく合致させるなど巧くやってるなぁと思うのです。

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