【芝居】「ホテル・ミラクル4」feblabo
2016.11.2 20:00 [CoRich]
ラブホテルを舞台にした短編集の四回目。7日までシアターミラクル。
目隠しした男が呼んだデリヘル嬢、するりと抜けて。前説をかねて「ホンバンの前に4」(作 池田智哉)
逆ナンされてホテルに連れ込まれた男。童貞でぎこちない。女がシャワーを浴びている間にスマホをみて殺人事件を知る、女のバックには布でくるまれた包丁が入っている「メキシコ」(作 ブラジリィー・アン・山田)
就活生っぽい女と指輪の男がラブホテルの一室で会っている。
「楽しい家族計画」(作 古川貴義)
アラフォーの女と若い男、ラブホの一室。女は積極的に男に言い寄るが、男はぎこちなく、先輩を電話で呼ぶ。業務時間中に。
「後戻り出来ない女(まもる 2016年版)」(作 豊米裕一)
おだやかに流れる時間、男は別の男に電話して面倒くさい。女は酔っぱらって男とホテルに泊まる。女は男のことが好き。「クリーブランド」(作 河西祐介)
友人によれば、「したいのに達成できない女たち」がどの物語にも通底します。なるほど。
「メキシコ」はロードムービーの前日譚という雰囲気の物語。殺人を犯し逃走のためにゆきずりの男を誘い潜伏しようと企んだ女の目論見はセックスを提供すれば逃げおおせるはずだった、のだけれど。そのもくろみ通りにはいかないけれど、男が女に惚れるように二人の逃避行の始まりを感じさせてわくわくします。
「楽しい〜」は若いスーツの女とちょっとヤクザっぽい男がラブホテルの一室で、というシチュエーションなのに、それが一級建築士とラブホテルオーナーでの改築の相談で、そこから互いの恋人とか家族の相談というか吐露になっていきます。ストーリーラインが幾重にもねじれて楽しさ。 二人の関係というよりは二人の人物を濃密に描き込むことに力点があって、短い時間のなかでこういう作戦をとるのも一つの手段だろうなと思うのです。 男を演じた浅見臣樹が圧巻
「後戻り〜」は2012年初演の王道ラブホテルコメディの改訂作。仕事中に互いに相手を捜して相手が知り合いどころか上司部下の関係なのにラブホ入っちゃうというどうにもならない「後戻り出来ない感」突き進むコミカル。上司で年上女のやっちまった感もすごいし、半ば強引に連れ込まれた部下男がせっぱ詰まって同僚の先輩をその現場に呼び出すというだめの上塗り感など、ダメにダメを重ねていくのです。
「クリーブランド」はちょっとけだるい雰囲気の男女。恋人と喧嘩したらしいゲイの男と、その男への片想いを告げられない女。互いに友人としてはもちろん信頼しあっているけれど、女からの想いに気づいている男だけれど、それに応えることはない関係、わりと早い段階でわかるのだけれどその驚きで語るような物語ではなくて、そのどうにもならなさを切なく描く味わいなのです。
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