【芝居】「嵐になるまで待って」キャラメルボックス
2016,9.24 18:00 [CoRich]
25日までかめありリリオホール。 そのあと、大阪、足利、宇都宮、山形、愛知、三重、姫路、広島、新潟、埼玉へ各地を巡る「グリーティングシアター」というシリーズ。125分。
1993,1997,2002, 2008年の過去四本のうち、初演以外の三つを観ているアタシです。人の想いのズレから生まれる悲劇、終盤の手に汗握るアクションなどキャラメルの中ではわりとハードに作り込まれた骨太な物語は劇団の代表作のひとつ。
初演のヒロインが伝説だったりしつつそれを見逃しているけれど、それぞれの時代の役者の変遷がみられるのは、続けてみている側の楽しさ。「二つ目の声」聾唖の姉を守るために使ってきた男・波多野をかつて演じていた岡田達也だったり、あるいはその姉を演じた明樹由佳の印象が強いアタシです。
8年ぶりとなる今作では、おそらくは意識的に若手による座組になっていて、新たな時代を担う役者たちがの成長を印象づけるのです 二つ目の声を操る男を演じた鍛治本大樹はしっかりとヒールで居続けることを全うし、姉を演じた岡内美喜子は台詞がない難しい役だけれどあくまでも美しくて見惚れるよう。ヒロイン・ユーリを演じた原田樹里は元気良さが印象的。こまっしゃくれた子役声優を演じた木村玲衣はそれっぽい衣装があいまって、イマドキのアイドル声優のような雰囲気でもあって楽しい。
客演として音響監督を演じた久保貫太郎は軽い雰囲気で重くなりがちな物語を軽快に運びます。もう一人の客演、ヒロインをサポートし続ける男を演じた一色洋平が何より印象的。いままでは圧倒的な身体能力だったりテンションだったりということが印象強い役者でしたが、それをほぼ封印して、丁寧に語りかける口調の安心できる深み、この広い劇場でそれをきっちりと演じきるのは実は並大抵ではないように思います。
1993 聖蹟桜ヶ丘 アウラホール |
1997 新神戸オリエンタル劇場 サンシャイン劇場 札幌市教育文化会館大ホール 仙台市民会館小ホール |
2002 新神戸オリエンタル劇場 サンシャイン劇場 |
2008 サンシャイン劇場 西鉄ホール シアターBRAVA! |
2016 かめありリリオホール サンケイホールブリーゼ 足利市民プラザ 栃木県総合文化センター シベールアリーナ 春日井市民会館 三重県文化会館 姫路キャスパホール はつかいち文化ホールさくらぴあ りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 所沢市民文化センターミューズ |
|
---|---|---|---|---|---|
ユーリ | 酒井いずみ | 岡田さつき | 岡内美喜子 | 渡邊安理 | 原田樹里 |
幸吉 | 上川隆也 | 今井義博 | 細見大輔 | 土谷裕一 | 一色洋平 |
波多野 | 細山毅 | 岡田達也 | ← | 細見大輔 | 鍛治本大樹 |
雪絵 | 竹内晶子 | 明樹由佳 | 忍足亜希子 | 温井摩耶 | 岡内美喜子 |
滝島 | 近江谷太朗 | 山田幸伸 | 大内厚雄 | 久松信美 | 久保貫太郎 |
広瀬教授 | 西川浩幸 | 西川浩幸 細見大輔 | 西川浩幸 | ← | ← |
チカコ | 石川寛美(チカ) | 石川寛美 中村亮子 | 中村亮子 | 小林千恵 | 木村玲衣 |
津田 | 今井義博 | 大内厚雄 | 佐藤仁志 | 阿部丈二 | 関根翔太 |
高杉 | 岡田達也 | 近江谷太朗 | 三浦剛 | 石原善暢 | 毛塚陽介 |
勝本 | - | 南塚康弘 | 畑中智行 | 三浦剛 | 山崎雄也 |
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「業界~恥ずかしながら、ボクらがこの世をダメにしてます~」Tom's collection(2025.03.22)
- 【芝居】「ズベズダ」パラドックス定数(2025.03.20)
- 【芝居】「夜明けのジルバ」トローチ(2025.03.08)
- 【芝居】「ユアちゃんママとバウムクーヘン」iaku(2025.03.01)
- 【芝居】「なにもない空間」劇団チリ(2025.02.27)
コメント