【芝居】「またまた やってみるのだ!」ちび太ン家
2016.10.14 19:30 [CoRich]
キャラメルボックスの四人の役者がゲストを呼んで即興芝居として上演する企画。16日までウエストエンドスタジオ、ワタシの観た回は105分。
二回目の企画公演。ワタシは初見です。舞台には衣装を掛けたハンガー、小道具がいろいろ。 入場時に配るアンケート用紙に(1)どういう枠組み(サスペンス、SF、ラブストーリーなど選択式で)、(2)どんな台詞をいってもらいたい(自由記入)で。そのアンケートを開演直後に回収して裏で整理してている間に、ゲームで時間を繋ぎ、くじ引きでシチュエーションを決め、台詞は役者たちがそれぞれに引いたものをすべて芝居に入れ、場所はあみだくじで決めてスタートするのです。
アタシが観た金曜夜、アンケートを回収して裏で準備する間にウオームアップのゲームは「ワードウルフ」で、二つの単語を一人だけが他の人々と違う単語、誰がその一人かを会話で探っていく、というゲーム。一つ目は「コーヒー」と「レッドブル」、二つ目は「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。後者は少々近すぎて、ゲームとしては難し気がするのは両方ともやってないアタシだからですかそうですか。
一つ目はラブストーリーを題材に、ジャングルを舞台に。台詞は全部は思い出せないけれど、「僕は知ってるよ」、「バランスボールダイエットって知ってる?」、「この国には何で女しかいないんだ」、「未来は僕の手の中に」、「ねむいねむい眠たい」など。役者たちが引いた全ての台詞が言われることが必須で、あとは物語としてどう着地させるか。終演を決めるのは監督役となる一人(これもくじ引き)にゆだねられます。
モテない女が男を求めてジャングルに行くけれど、そこでは何かの細菌によって性別が女になっていってしまっていて、隠れるように動物に擬態した男が残っていて。少々強引な感じはあるけれど、コミカルでイキオイがあって、探り探りするかんじもあって楽しい。
二つ目は、サスペンス、海辺を舞台に。 「広くてすてききな宇宙じゃないか」、「でも君は笑うかも知れないとっても変な話だから」などの台詞を。打って変わって淡々と静かな会話で始まるのは、浜辺で記憶を失った男と、それに気付く男。規定の台詞がでないままかなり長い時間が経過するけれど、やがて、何度も実験を重ねてロボットを試作するうちに不良品を捨てて、それが浜辺に流れ着いたのだ、という物語に収束していきます。
サンシャイン劇場をきちんと埋められる役者たちがこの規模の劇場なら演じること自体への不安はありません。この公演は、観客からアンケートでとった題材を使って、役者のエチュード(即興)に対する瞬発力だったり、それで物語という体裁を仕立て上げるチームとしての座組のプレイというのが公演のベースなのです。もちろん物語が進む舞台の袖で、入る瞬間だったり、衣装や小道具を細かく調整していたりするのが目の端に見え隠れする緊張感。
もちろん、役者の素が見られるという観客の嬉しさ。ちょっと早めに会社出られたアタシはじゃあ、と思って金沢涼恵の回へ(クリアファイルがオマケについてる回で嬉しい)。正直にいえば、この強烈な役者陣の中では少々分が悪いけれど、舞台に入る瞬間をあれこれ考えている表情は、普段見ることのない「役者をしている」彼女がまた新鮮な表情。それは他の役者たちにも当てはまるのです。
ワタシの観た回では、永島敬三がさまざまに工夫し、意図せずとも入れた伏線が後で生きたりと、物語を面白くすることの瞬発力が圧倒的なのです。
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