【芝居】「夜いろいろ」(A)らまのだ + 桃唄309
2016.10.2 13:30 [CoRich]
桃唄309主催で他劇団と対バン形式で飲食を組み合せたイベント公演。2日までRAFT。60分
マンションを買った弟のところに職を失った兄が転がり込んでくる。兄の妻が訪れていて別れたいというが兄は別れたくない「まど」(作 南出謙吾、らまのだ)
お屋敷に若い女が嫁いできてしばらく、旦那様が出かけたきり見つからなくなる。家政婦として働く女はお屋敷の様子を同棲している男に話して聴かせる。男は興味をもって話を聞くが、奥様とは決してあおうとはしない「一年後の月よ、バイバイ」 (作 長谷基弘、桃唄309)
夜の不穏さかどうか、ちょっと不思議な手触りの二編。
「まど」は兄が職を失い弟の転がり込んでいて、兄嫁が別れるといってその家を訪れるというシチュエーション。 かつて尊敬していた兄がくすんでいる状態、妻とは別れたくないとすがるし仕事も探してるんだかどうだかな状態なのに、弟はブラック気味な仕事にまみれてマンション購入まで至ってるという逆転は、現実なら少々シビアな状態だけれど、不思議とゆったりとした時間が流れているよう。アタシがちょっとぼんやり見てしまったようで、もういちど噛みしめながら見たいなぁと思うのです。
家持ちでそこそこ稼ぐ義弟にちょっとなびきかける女のシーンがわりと好きなんだけど、冗談めかしてなのか、それとも真剣なのか曖昧なままみせられて、もやもやする感じもちょっと面白い。理性的に整然とした交通 ひとまずはしばらくの平穏がありそうに見えるところに窓外から聞こえるクラッシュ音については語らない、何が起きたのかあるいは起きてないのか、不穏さを残す終幕など、シンプルで静かな語り口が彼らの持ち味なのです。
「一年後〜」は、お屋敷の若奥様と家政婦、その同棲相手を巡る一年の物語。ことさらに強調したお嬢様風のデフォルメだったり家政婦は見た風味の芝居で笑わせつつも、居なくなったご主人様、庭に掘らせた穴など不穏な要素が次々と現れ、あるいは執拗に会いたがる奥様に対して断固として会わない男との間のもやもやとした過去は後半でわりとあっさり語られるわりにはそこかしこに不穏さを散りばめて、実はあまり何も起こらないという話ではあっても、不思議とぐいぐいと観続けてしまうような不思議な魅力があるのです。
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