【芝居】「艶情☆夏の夜の夢」柿喰う客
2016.8.11 18:00 [CoRich]
シェイクスピアを女優ばかりで上演する人気シリーズの8本目 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7) はとてもメジャーな夏夢。90分。14日まで吉祥寺シアター、そのあと大阪。
八百屋風に傾斜した舞台はリング状でその中央にもう一つの円柱状の舞台。盆踊りを思わせる浴衣姿で見目麗しいダンスと疾走感。わりと登場人物の多い物語ですが、明確にメリハリを付けてメインの登場人物を減らし、さらに複数の役を兼ねるようにしています。恋人たち、妖精の王、町人のボトム、パック。なるほど、シンプルに編集されて実は見やすくなっているのです。
一つの工夫は、花の汁に惑わされている間は関西弁になるという、あからさまだけれど巧く機能するシステムで、女優たちの口調の変化が楽しいし、同じ人物なのに明確に別の人格に見えるのです。もう一つの工夫は、トークショーでも語られた、盆踊りなどをを登場人物たちの属する三つの層に分けていることで、人間たちの盆踊り、その外側に妖精たちのヤンキー風ヨサコイ、その外側に夏フェス参戦のようなTシャツ姿のパックを置いています。パックは芝居をメタ視点で語るのが夏夢の要ですが、踊っていそうな夏フェスの中でも踊らないでちょこまか動いているのが冷静でメタ視点を体現するのです。
パックを演じた千葉雅子の脱力感が楽しい。王に無茶振りされてイヤイヤ従う雰囲気もちょっと可愛らしく見えたりもします。がっつり役を演じるのは随分久しぶりな気もする深谷由梨香はボトムの異物感というか高いテンションが楽しい。妖精の王を演じた七味まゆ味は困ったりしながらも重厚感溢れた芝居。ディミートリアスを演じた岡田あがさは男前過ぎて惚れてしまうけれど、コミカルなシーンがこれだけ多いのも久々な気がして嬉しいアタシです。葉丸あすかは岡田あがさとともに妖精たちのシーンもきっちりで個々も観ていて嬉しくなってしまうのです。
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