【芝居】「ただしヤクザを除く」笑の内閣
2016.7.18 13:00 [CoRich]
京都を経て18日までこまばアゴラ劇場。100分。
警察の指導でヤクザのフロント会社へのピザ宅配を禁じられた店にヤクザがテイクアウトに訪れて凄むが、パートの女がおとなしくさせ帰宅させる。この店のピザが最高だと信じている店長はピザをテイクアウトし、こっそりヤクザに渡す日々を過ごしているが、それも警察に見つかってしまう。
ヤクザの犯罪は許さないけれど、暮らしているヒトである以上、暮らせなければいけない、という「ヤクザの人権」というワンアイディアで突破する物語。暮らしていけない(と感じて)逃げてきて就職も出来ないヒトのセーフティネットという役割があったということだったり、あるいはそこから離れれば暮らせるヒトのことであったり。子供のための、という嘘をついてオマケのカードをシノギに使うというのは、やっぱりダメな人々ということをぐるりと一回りして描きます。ああ、ヤクザだってヒトだしと思っていたアタシはあっさりと裏切られたして、物語全体を安定に着地させたりせず、ふわふわと浮いているようにしてスパッと切り落とす感じは確かに誠実な語り口なのです。
かと思えば、このピザ店、企業理念に心底陶酔する店長がいたりして、明確には語られないけれどやりがいの搾取というか、酷い労働の現場、を匂わせたりもします。それはたとえば大手牛丼チェーンで大量のアルバイトがやめたあの事件の報告書(pdf)を思い出すのです。
ヤクザの抗争史として描かれているのは「ヒラタ組」で、その参加にいろんな組があるというのは、アゴラを拠点とする青年団と青年団リンクの劇団だったり、有償パンフにはその抗争史が書き込まれていたりという遊びごころ。
着想点はとてもいいのだけれど、正直言えば物語としての面白さがもう少し欲しかったり、物語がぐるぐると同じ処を回って居るように感じる場面があったりして、濃密さにかける感じは否めないのですが、作家の問題意識の発露がというか視点が面白いな、と思う劇団なのです。
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