【芝居】「夏の夜の夢」天幕旅団
2016.7.17 15:00 [CoRich]
アタシは初見の劇団です。雑遊で105分、18日まで。
正方形の舞台を四方から囲む客席。シェイクスピアの「夏の夜の夢」基本的にはそのままの物語を、ポップでスピーディな台詞で紡ぎ上げます。シェイクスピアに関していえば、現在の言葉での上演というのはそれほどめずらしいものではありませんが、わりと早口で詰め込んだ台詞でスピーディに入れ替わる役者陣、シンプルな飾り付けはあるけれどほぼ素舞台のまるでプロレスのリングのような四角い舞台とあいまって、イマドキのリズムにもよくあっていて、楽しく見られるのです。
今作を貫くのは、「役者と役」というメタな関係を中心に据えています。開演直後に役者と役を並べて観競るシーンを、楽屋落ちというか「第四の壁」(といっても囲み舞台なんですが)のようにき、終幕近く「町人達の芝居」のところで開幕にあった「さあ、始めようか」という台詞を置くことで、鮮やかにくるりと一回りして入れ子のようにメタな構造を創り出します。町人達の芝居のシーンは確かにわりと冗長になりがちで、ここをどうするかはわりと大きな問題になりがちですが、大胆にカットしつつ、この芝居全体を包み込むように終幕させるのは巧いなと思うのです。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「今はやることじゃない」箱庭円舞曲(2021.01.11)
- 【芝居】「オレステスとピュラデス」KAAT神奈川芸術劇場(2021.01.10)
- 【芝居】「みてみぬふり」北口改札(2020.12.30)
- 【芝居】「プライベートジョーク」パラドックス定数(2020.12.29)
- 【芝居】「完全な密室」やみ・あがりシアター(2020.12.12)
コメント