【iイベント】「天と空のあいだ」(月いちリーディング / 16年6月)劇作家協会
2016.6.25 18:00 [CoRich]
劇作家協会が定期的に開催するリーディングワークショップ。 いつものように戯曲冒頭部の公開と、リーディングと動画配信があります。65分。
サーカス小屋の新入りが任された最初の仕事は、ずっと上に上がったまま降りてこないで暮らしている空中ブランコ乗りの世話だった。
カフカの短編「最初の苦悩(青空文庫)」の「上から降りてこないまま暮らし続けるブランコ乗り」をモチーフにとり、その世話をする女と新入りだが同い年の男の三人の物語。技をストイックに積み上げる男はずっとその世界に居るけれど、他の二人は別の仕事についたり結婚し子供ができて、と別の人生をきちんと積み上げているし、世界ではごく限られた人間にだけ許されていた「空に居る」ことが飛行機の発明によって特別なものではなくなりつつある変化。「離れわざ」という一つの到達点をみつけてはいるけれど、地上に降りて三人が未来に向けて進むような終幕は爽やかさを感じさせるのです。
それぞれのモノローグが大部分を占めていて、ダイアログが少なく、リーディング向きだとは思うものの、これが芝居になるとどうなるのか、ブランコをどうするのかという大問題とともにちょっと想像のつかない感じ。ストイックにいきることと、生活に根ざして生きることの対比がポイントかなとは思いつつ、乗り切れないアタシなのです。
演劇関連ではずいぶん久々に拝見するハマカワフミエの男気な先輩風が凛々しく、格好いい。使用人を演じた小沢道成は豊かな表情を乗せた声の安定、孤高な男を演じた橋本昭博、どう造形するか難しい役をしっかりと。
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