« 【芝居】「(戦場に)行けたら、行くね。」池亀さん、他 | トップページ | 【芝居】「許されざる者(バッドエンド Ver.)」シンクロ少女 »

2016.06.03

【芝居】「許されざる者(ハッピーエンド Ver.)」シンクロ少女

2016.5.22 19:30 [Corich]

2014年初演作、キャストが一新されているハッピーエンドバージョン。125分。24日までOFF OFFシアター。

物語そのものは、おそらく初演とそう大きくは変わりません。もう一つのバージョンとの違いは終幕近くの作りにあって、去っていく夫婦は赤ん坊を抱え、家を出ていった女は近所では働いていて残された男がその店を見に行くと赤ん坊を抱え笑顔を向けてくれる彼女が居る、というのはハッピーエンドに他ならないのです。

そうでした、全体として好きなシンクロ少女の上演の中でも本作の初演は割と好きな一本でした。もっとも、 そのときの自分の感想を読み返して思い出すだけなのですが。 若い女を演じた宮本奈津美は信用していない、という立ち位置だけれど、ほほんとした空気をまといつつも、しかし見せる表情が全体としては諦めたよう。それは微妙なニュアンスの表情に目が離せないし、声もよくあっています。 本当は何かいいたいことがあるけれど、それはうちに秘めて、こちらには笑顔だけ向けてくれているのだ、と思ってしまうアタシ。ええ、別にそれはアタシに向けられた表情ではないのだけれど。

ドーナツを効果的に使う作品(ハッピーエンドは、終幕で同じ紙袋で持ってくるのでわかったりする)ですが、今作ではもう一つ、おもちゃの刀と組み合わせると、あれれ、下ネタですかという発見も楽しいのです。

西田麻耶が演じた若くない女も、パワフルさが勝る造形で、これはもう一つのバージョンや初演とは違う新たな魅力。彼女の切実さがよりリアリティを持つように感じられて、というのはよけいなお世話なアタシ。なかなか声を上げて泣くという演技を目にする機会のない女優だと思うけれど、その慣れなさがなんか絶妙に可愛らしい。作家の女を演じた堂本佳世は元々作家自身の分身で、フラットに俯瞰し続ける立ち位置の役、ちょっと迷ってる感じはあるけれど、どうしてどうして、もう一本と違うキャラクタを纏うのです。

|

« 【芝居】「(戦場に)行けたら、行くね。」池亀さん、他 | トップページ | 【芝居】「許されざる者(バッドエンド Ver.)」シンクロ少女 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【芝居】「許されざる者(ハッピーエンド Ver.)」シンクロ少女:

« 【芝居】「(戦場に)行けたら、行くね。」池亀さん、他 | トップページ | 【芝居】「許されざる者(バッドエンド Ver.)」シンクロ少女 »