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2016.06.24

【芝居】「サバンナの掟」柿喰う客

2016.6.12 19:00 [CoRich]

ワタシは (2008年の再演)を観ています。21日まで王子小劇場。70分。

若い多くの役者、人数が少々変わっても調節して再演、再々演を続けられる、というのは作演を兼ねる座組だから成立させられる強み。きっちり精度のある戯曲を作り込むのとはまた別の、役者に合わせて形を変えて柔軟に芝居を作り続けていくというのもまた確かな一つのちからだと思うのです。そう考えると劇団員を入れない座組というのも、今作での印象はプラスに働きます。アタシは観てない初演の時にきっとみんなが感じていたであろう、どういうアウトプットができるかわからないままに物語を紡ぐ役者たち、あるいは作家の出会いを体感するようなのです。こうなると初演、観たかったなぁ、というのはまあ芝居を観るヒトとしちゃしょうがないところなんですが。

もっとも、幕切れ、みんながばたばたと死んでいくというのは、何かを物語るよりも、こういう人物を描こう、こういうシーンを作ろうと広げまくった風呂敷をぱたぱたと畳む感じでもあって、子供の一時期に男子が描きがちな話といえなくもありません。物語が薄っぺらい、というのはこの劇団の初期ではわりと言われていて、しかしそれを強烈に何重にも積み重ねるのが当時のアタシのこの作家の物語の描き方でした。今作はその「ミルフィーユ」というほどには物語を過剰に積み重ねたりしないので、もしかしたら「ミルフィーユ」以前の作家の物語り方の片鱗が見えているのかなと思ったりもするのです。

売春女子高生の元締めを演じた永田紗茅はつか芝居のようなクールさが印象に残ります。やけに色っぽくセクハラを受ける秘書の妻を演じた古澤美樹は、ストレスの多いだろう役にもかかわらずしっかりと。母親であることに執着する女を演じた野村涼乃はうざったさが勝る前半から母親というものへの想いが強すぎる狂気の振れ幅をしっかりと。

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