【芝居】「露出狂」柿喰う客
2016.6.11 14:00 [CoRich]
2010年初演作の再演。 戯曲(pdf)や動画を無料公開する心意気が凄い。 25日まで王子小劇場。100分。
出来る新入生が上級生を完膚なきまでに叩き潰したらみんな居なくなってしまってたった四人でのし上がり変化していく四年間をまるで大河ドラマのように描きます。いわゆる強豪校ではない学校にたまたま集った奇跡の顔ぶれが起こす一大旋風、天才を描くのは鼻持ちならなくなりがちだけれど、スピード感なのか、あるいは宝塚のようなキメキメな雰囲気ゆえかいわゆる「根性」抜きのスマートなスポーツドラマとしてきっちりと成立しているのは初演と変わらないのです。初演のきっかけとなったコロの存在は、この芝居の語り口とか立ち位置に強い影響を与えていたと思うけれど、彼女がいなくてもきちんと作られたエンタメはそれ自身が強い力をもつ、ということをを感じるのです。
ここまで愛とか乱交、あるいは友達の兄貴と寝てるみたいなネタ推しだったかなぁというのは記憶が例によって曖昧なアタシですし、強制的なカップルのあれこれって話あったかどうかも怪しいアタシなのですが、いろんなカップルたちの駆け引きと疑心暗鬼渦巻くシステムがぎゅっと凝縮されている感じは面白いのです。
強い結束の第一世代がいろいろに悩み結果、最上級生になったときに結束で勝ち取った頂点だったり、プライベートに踏み込まない無関心やそれどころかみんな居なくなってあの熱気を知ってるのはたった一人みたいなそれぞれの世代のカラーが変化していく終盤は、顧問ではなく生徒たち主導による部活動ゆえの早い変化を描いていて楽しい。
サイコパスのような強烈な個性を放つ福井夏のつくりもの感はアタシの心を掴んで離しません。七味まゆ味・葉丸あすかのベテラン二人はわかりやすい安定感でベースをつくります。大きな身体ででもちょっと乙女を垣間見せる 山口ルツコは元女子プロレスラーというのをネットで見つけて納得するアタシです。男を惑わせるというかわりと節操無い女を演じた角島美緒、入部時点でプロというクールビューティーを演じた松原由希子のキメ顔も素敵。
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